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...リオ視点
「科学者ファーストのフウシンという男を…始末してほしい」
この任務の依頼主は金髪の科学者。ポジションはセカンドだが腕は確かで、主に爆薬とかを研究しているらしい。無駄に背がデカイのが印象的な男だった
…俺はこの依頼を最後に、裏の世界を引退しようと考えていた。理由はまぁ色々あるけど
ま、とりあえずだ。
情報によると、ターゲットは"フウシン"という男で科学者ポジションファースト。難しいとされる三匹以上の動物を合成させる技術を意図も簡単にやってしまった天才らしい。ただ、奴は動物だけではなく人間にも手をつけているっつー噂で。
今、裏の世界で有名になっている"改造人間プロジェクト"の主導権を握ってるとか言うじゃねえか。
で、依頼主の科学者は反改造人間プロジェクトを掲げている奴みたいで。
フウシンという根元がいる限り罪の無いガキ共が犠牲になり、世界に兵器的な改造人間が増えると同時に悲しむやつも増すという。
それがいたたまれないっつー事で、根元であるフウシンを殺ってほしいという考えに至ったみたいだ。
何億何千の命を助ける為に一人を犠牲にする。
なんとも偽善を全面的に掲げた気に入らねぇ考えではあるが、契約した以上は遂行するのみだ。
さっそくフウシンがいると言う研究所に侵入した。
そしたら丁度キメラだかが暴れてるっつーじゃねえか。
で。
あんなにバカでかいキメラに襲われかけてんのに、顔ひとつ歪ませない男がやけに気になって…反射的に助けちまったらそいつがフウシンだったとか。
生きているのに死んだような目をしたそいつを、俺は何故か殺せずにいたんだっけか。
なぁ、これは俺の直感なんだけどよ。
こいつ、多分根元なんかじゃないと思うぜ?
まぁとりあえず契約は破棄。ファーストには契約を独断で破棄する権限もあるから地位乱用で任務放棄だ
さ、連れて行くはいいが。これからどうするかは考えものだな…
くく…、無駄にデカイのの怒鳴る姿が目に浮かぶ。
…後に、フウシンを保護したことによって俺の引退が長引くなんてことはまだまだ現時点では知りもしなかったっつーことで。
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