今から数十年前、
獣人とある一部の人間は小さな戦争をしていた。

この戦争で厄介だったのは神隠しの力を持つ極少数の獣人。
この能力を持つものは探知機には全く反応されず、人間はその都度奇襲を受け苦戦していた。

戦争が長く続けば続くほど、犠牲者は多くなっていく。だがその戦争にはなかなか終わりが見えなかった。

いつまでも長引く戦争
犠牲者ばかりが増えていく


だが。
そんな戦争を一瞬にして終わらせたのが、ある1人の研究者が発見したウイルスで作った細菌兵器だった。


その細菌兵器の光を浴びた者は、心を失い廃人となり…後にジワジワと菌に侵され最後には死す

数十年間続いていた戦争を人間側の勝利として一瞬で終わらせた細菌兵器。その菌を発見した彼は、軍の間で一躍有名となった。

だがそんな彼が表に出ることはなかった。何故なら彼は、軍の命令を聞き入れなかったから…

それを召さなかった者たちは彼を地下の牢獄に閉じ込め、拷問を始めたのだ。
菌の作り方や当時のデータをよこせ、と意識が飛ぶほどに傷つけては…を繰り返す。

それでもなかなか吐かない彼を目の前に、総司令官殿は笑ってこう言った

「そうだ。あの細菌兵器に名を付けようか。"細菌兵器ラ=ツェル"、と」


のちにその兵器の名は、呪いの言葉と共に世界へ広がっていった。


それ以降も毎日続く拷問。
薄暗い地下で、彼は強い思いを抱く。


そして、嵐が来るのだった―――








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