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 そうこうしている間にルイスが戻って来たのか、室内の扉をノックする音がした。

「遅くなって申し訳ありません。二人目の"GloriousKnight"を連れて参りました」

 よほど急いで来たのか、ルイスはそう言い終わるとはあはあと肩で息をしていた。

「遅い。だが、時間はまだあるからお前にしては上出来だ」

 ユーリックは彼なりの労いを述べた。

「ルイス君お疲れ様」

「ルイス君座ってお茶でも飲みましょうよ」

 双子はそう言いながらルイスを自分達の隣に促した。するとルイスの後ろにいた少年が姿を表したのだった。

「・・・・・・っ!?」

 ジルは眼を見張った。

「あれ?お嬢さん何でいるの」

 そこに居たのは紛れも無くあの入試の時に出会った男だった。

「何々、二人共知り合い?」

 眼を見開いて驚いている二人を見て、ヨハンはそう問い掛けた。

「あ。いや・・・えっと・・」

 ジルが言葉を濁していると、彼が口を開いた。

「はい、そうなんです。入試の時に偶然知り合って、私が一目惚れしたんですよ」

 人懐っこい笑みを浮かべながら、彼は恥ずかしげもなくそう述べた。
 そんな彼の突然の言葉に、ジルは顔を真っ赤にしてわなわなと震えているようだった。
 室内にいた生徒会の面々も、虚を突かれたような顔をしてただただ二人を見ていた。

 そんな空気の中初めに口火を切ったのはヨハンだった。彼はそのあまり変わらない表情とは裏腹に元来明るくしゃべることが得意な人間なのだろう、自分がまずこの空気を打破しなくてはならないと感じたのだった。

「そ・・・そっか。というか、あれ?もしかしてジル君って女の子「違いますっ」」

 それだけは誤解されては困るとばかりに、ジルは反射的にヨハンの言葉を遮っていた。

「あ。あとお前、お嬢さんって呼ぶなって言っただろうが」

 ジルは彼に向き直り、憤慨して訴えた。

「ああ。そういやそんな事を言っていたね」

 彼はあまり気にしていないような様子であった。

「えっと・・・何だか誤解されるような事言ってしまってすいません。彼も言っているように、私のそんな一目惚れは彼が男だと知れた時点で儚くも脆く崩れ去ったんです」

 彼は場の空気を読んでか、そう苦笑しながら言ったのだった。

「おい。お前とこいつの関係は今は関係ない。全員そろったんだ、時間はあんまりねえんだからさっさと仕事のことを話すぞ」

 ヨハン曰く生徒会のボスらしいユーリックの一声で、ようやく本題へと入ることとなったのだった。



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