ひゅう、と喉を、空気が通り抜けていった。思い切り剣で弾き飛ばされ腰を強く床に打ち付けた。痛い。それでもわたしはまた、何度でも起き上がる。自分の守るもののために、なんども、なんどでも。
(クルトは、わたしがまもる)
腕を床につくと、激痛が走る。もう動くなと体が悲鳴を上げているようだった。それでもわたしは床にたまった血を大きな針にしてそれを杖にし立ち上がる。とぎれとぎれだけど勇ましい、ベラの歌声が聞こえる。それが耳に触れるたび、わたしの傷が少しづつ回復していくのがわかった。わたしは……まだ戦える!
己を力付けるためにも大声で叫び、威嚇しながら、刃物に変えた腕を振り回す。こんな雑魚に、負けてられない。ここは、わたしがまもる。約束したんだ。
片手にもっていた針を敵の集団に向かって投げつけ、能力を解く。とたん血が敵に降りかかり相手がやや狼狽える。と、そこで能力を行使する。
「がぁっ!!」
ある者は目に針が突き刺さり、またある者は頭に突き刺さる。地面に落ちてたまった敵の分の血も、一気に針に変え、地面から突き刺す。動揺しているうちに敵を切りつけに行く。ふわっと、スカートが花のように揺れる。
人を殺してはいけない。それはわたしだって知っている。人を殺すことに抵抗がないわけじゃない。それでもしなければならない。
(クルトを、まもるため)
クルトはわたしの絶対。シュヴァリエのみんなのことは大好きだけど、それとクルトはまた別。わたしはレヒト教なんて信じてないけど、クルトという人間を信じてる。クルトはわたしの神だ。クルトを守るためなら、なんだってする。
(そもそもクルトの命を狙うことが間違っている)
そう。そうなのだ。間違っていることを正すことを誰も悪いとは言わない。
クルトはこの世界をよりよくする。この間違いだらけの世界を正すために頑張っている。わたしはそれを手伝っている。それだけ。それが殺しなだけ。
「これでっ、おわり!」
最後に残った一人の体に腕を通す。
ひゅう、と喉を、空気が通り抜けていった。
2011/09/24 喘ぐ
この私がエロ小説を書くと思ったか…
安心してくださいかけませんから。
全然本編関係ないです。本編始まる前です。
家族の大切さとかそういうのは分かっているので、両親(会ったことないけど)が生きているのも自分が生きているのもクルト様のおかげなので、ローゼにとってクルトは神様です。他にもいろいろ理由はあるだろうけど。
何がいいたいってたたかう幼女萌えです。
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