一つ、昔の話をしませうか
何、そう難しい話ではありませぬ

話の核を成しますは、
百鬼夜行の主となる妖の男
傾国と呼ばれし美貌を持つ桜の姫
匂う姿もたおやかな精霊の娘

時は慶長の世

太閤秀吉さまの死後、
徳川家康殿が以来三百年続く江戸幕府を開かれるよりも
少し前のお話でございます


なまえ

あやかしあやしかなし
妖と桜、京の夜
遠き地にて花薫る
ややこのこやいずこ
耳より入りて口より出る
花ぐはし、さくら
誰がために花は咲く
めぐりめぐる星の饗宴
とへや、こたへや、
咲く花を手折る手の
桜の花開くその場所は
まことあはれなるは
星の詠う先にあるものは
さて闇の内にて咲く花は
狐の御面とあふさかの城
花散る里はここにあらず
ひふみのさくら










to top

「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -