私と彼の五日間 03

水曜日、昼休憩。衝撃の事実が発覚。

「それ、三之助だよ、多分。次屋三之助」
「え……って、まさか、知り合いなの?」
「うん。友達だよ。ねえ藤内」

お弁当をつつく三反田くんの言葉に私は愕然とした。例の彼の髪色やら背格好やらを言ってみれば、すぐに出てきたその名前。しかも浦風くんも友人だと頷いて肯定する。それから口の中のものを飲み込むと、「そうだな」再度肯定の言葉を述べた。

「前髪だけ金髪って時点でそうそういないだろうし、背も高いなら三之助だろうな。あいつの鞄の特徴も一致するし」
「が、学部は?」
「僕らと同じだよ。学科が違うから、なかなか授業は被らないけど」

衝撃の事実その二。
どこの学部だろうってずっと考えてたのに、まさか同じ学部だったなんて。そりゃあ講義棟から出ていくのも見たけど、単位が出る他の学部の講義を受けるのなんて珍しくない。それに、他学科の一年生も全員受講しなきゃならない講義で見たことがなかったからすっかり別の学部だと思ってた。

「そっか……同じか」
「それで、三之助がどうかしたの?」
「え?いや、えーと、昨日ぶつかって、ろくに謝れなかったなーと思って」

誤魔化しながら、私はゲットした情報を頭の中で復唱する。同じ学部の、次屋三之助くん。浦風くん三反田くんの友達。もっと早く訊いておけばよかった、なんて思いつつ、私はもっと彼らと行動を共にすればまた会えるんじゃないかと打算的に考え始めた。

そんな必要は、なかったけれど。




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