ツイ夢ログ12 ごちゃまぜ 生物委員会夢/ 「私の可愛い後輩たちが今日は一段と可愛いので私が凶行に走るのは大体後輩たちのせい。ぎゅー」 「ぎゅー……」 「せ、先輩……!」 「ハチは別に可愛くないので来なくていいです」 「いやそうじゃなくてそいつらを返してください!委員会があるんで!」 「私より散歩中の虫たちを取るのか……寂しい……。とはいえ委員会ならば仕方ない。そうだ、お団子を買ってきてあげるから、終わったら私のところにおいで」 「本当ですかぁっ?」 「すぐ見つけてきます!」 「うんうん。怪我はしないようにね」 「はいっ」 「そのときはここにいない孫兵も連れておいで。勿論、ハチもね」 「……は、はい!」 ハロウィン後の食満と会話/ 「保健室からいつもと違うにおいがすると思ってドアを開けたら一面がオレンジ色だった」 「……ハロウィンだったからな」 「うん、ハロウィンだったからだと思う。後片付けが大変そうだった」 「……一応訊くが、飾りつけで、だよな?」 「飾りつけだったらしいジャックランタンの成れの果てで、かな」 「ああ……」 「あと裏庭の木にトイペが投げられてたんだけどあれは作法の悪戯か保健の不運かどっちだと思う?」 「保健室の状態を考えたら裏庭で発動する時間はなかったんじゃないか。とりあえず作法に学校の備品を無駄にするなと伝えてくる」 「あれ学校のやつよりいいやつだったから自前かも」 「用意周到だな……」 キャラ未定/ 逢いたかった。そう言って私の手を握る彼を私は知らない。変質者かストーカーかと思ったけれど、泣きそうな顔で笑う彼に叫び声を忘れてしまった。代わりに湧き上がるのは懐かしいような想いと涙。ああそうだ、きっと、私も。私の頬を拭う手に手を重ねる。 「わたしも、あいたかった」 食満夢/ 雨が降る。学校を出る前だったなら借りることも出来たのに、電車に乗ってしまった後だからどうしたものか。コンビニに行ってビニール傘を買うのは、お小遣い前で避けたいところ。かといって両親は仕事で迎えに来てくれることもない。走って帰るか小降りになるのを待つか、溜め息を吐けば、叩かれる肩。 「今帰りか?」 留三郎、と彼の名前が口から零れる。同じマンションに住む幼馴染みだ。そうだ彼の傘に入れてもらおう、と彼の手を確認したところで、目当てのものがないことに気がついた。 「留三郎、傘は?」 「……忘れた。お前もか……入れてもらおうと思ったのに」 二人同時に溜め息。ほんと人生甘くない。 食満夢でポッ○ーの日/ 突きつけられたプレッツェルの先端と、その奥に見える真っ赤な顔。無理に頼んでそれをさせたのは自分だが、恥じる顔も可愛いなと思ってしまう俺はもう駄目かもしれない。 俺が逆の先端をくわえればそれが伝わったのか閉じられていた目が更にぎゅっと閉じられる。……ああ、もう駄目だ。本当に可愛すぎる。 ――パキッ。 「っ……?」 「意地悪しすぎたな、すまん」 噛み砕いた先端をそっと指で押していけば、目を開いた朝子は素直に食べ進めていく。微かに残念そうに見えるのは俺の気のせいだろう。そのまま最後に軽く触れた唇の感触。指に残ったチョコを名目に自分の口に押し当てることくらいは、許されるだろうか。 食満夢/ 一気に寒くなったなぁ、と呟く留三郎に私は頷く。そして冷えた指先をえいと押し付ければ、うわと声を上げながら掌で包んでくれた。 「ちゃんと手袋しないと、また荒れるぞ」 そう呆れながらも温かい手は離れない。普段あまりしたがらないこの行為を続けてくれるから、私は結構、冬が好きだ。 食満夢と鉢屋夢/ 「この前買い物に行ったら大きなツリーが出てたの」 「もう冬だからな」 「それで友達と話してたんだけど、あの遊園地のツリーとっても素敵なんだって」 「へえ。いつ行く?」 「いいの?そんなあっさり……」 「当たり前だろ。折角お前と出掛ける口実があるのに放っとくわけがない」 「ふふ、嬉しいなぁ」 「……という会話を食満先輩たちがしてたんだけど」 「この寒いのにわざわざ出掛けようとする人の気がしれない」 「こたつに潜り込むのはやめようね三郎」 「ツリーが見たいなら七松先輩が担いで持ってきて放置されてるモミの木でも眺めておけばいいんじゃないか」 「ロマンの欠片もないなぁ」 「それに私はお前といるならわざわざ出掛けなくとも室内で十分だ」 「……なんか誤魔化されてる気がするけど、まぁいいや。じゃあ不破くんと行ってきていい?」 「雷蔵と?!ずるい!お前だけ雷蔵と出掛けるなんて!」 「面倒くさいなぁ三郎は」 ツンデレ食満夢/ 何回壊せば気が済むんだ!と怒れる用具委員長は私の恋人である。私が壊したわけじゃないんだけどと思いながらごめんなさいと謝れば、留三郎は一瞬『しまった』という表情をして、すぐに平静なそれに戻した。 「べ、別に、今後注意してくれればいい」 「うん。ごめんね」 「これが最後だからな!」 ちなみにこの『最後だからな』は既に今月五回目だ。それだけ修理を頼んでいるのだから怒るのも仕方ない…… 「ありがとう。お邪魔してごめんね」 「も、もう行くのか?」 「委員会の途中だし、迷惑でしょう?」 「え、い、いや、そんなことは……」 なーんて、本当は怒ってるわけじゃないと知っている。 怒ってるのは全部照れ隠しだって、私は知ってる。帰ろうとすれば寂しそうにするのも知ってる。だから私は、約束をすることにした。 「ね、よかったら夕食は一緒に食べましょ」 「あ、ああ、別にいいぞ」 「うん、約束ね」 「……約束な」 そうすれば嬉しそうにするところが、ちょっと可愛い。 シスコン食満夢/ 「お兄ちゃん」 普段しないこの呼び方は基本的に欲しいものがあるときに使う。妹に大変甘い兄なので、これで大体のものは買ってくれるのだ。妹に彼氏が出来たときのためにゴルゴ貯金を始めたなどと以前供述していたのでブランド物のバッグくらいなら買ってくれるだろう、いらないけど。 「どうしたんだ?」 でれでれな顔をしている兄に私は持っていた雑誌を突きつけた。指差すのはカフェの特集にある、ケーキの写真。 「これ、美味しそうだと思わない?」 「そうだないつ行く今日か明日か?」 言う前から了承する兄には内心苦笑いだ。けれどそれを出すことなく、私は答える。 「来週の日曜日は?」 「……来週の?」 「うん。駄目?」 「……いや、お前の頼みを断るわけがないだろ?」 そう答えた兄が一瞬迷ったことに、私は気付いてる。その日は彼女とのデートだってことも知ってる。それでも私を優先した兄は、きっとまたフラれてしまうだろう。それも、分かってる。 でも私を優先したのは兄だ。悪いのは兄か、兄のシスコンを受け入れられない彼女の方だ。そんな心の狭い彼女とはどうせ長続きしないよね、なんてのはこじつけだって、気付いてる。 「楽しみにしてるね、お兄ちゃん」 他の女に兄を取られたくない私も、きっと重度のブラコンなのだ。 ← ×
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