ツイ夢ログ3

ごちゃまぜ



食満夢/
学園への帰り道ひどい雨に遭った。
私がそう言うと留三郎はすまなさそうに謝る。話を聞くと丁度その頃潮江と意見を合わせてしまったらしい。そんなことで雨だなんて、ただの偶然でしょうと私は笑うけど、あまりに申し訳なさそうにする食満に思いつく。
「なら、冷えた分だけ、貴方が温めて頂戴ね」





鉢屋夢/
なんで私だと分かるんだと、雷蔵の姿をした三郎が不満そうに呟いた。
「だって仕方ないわよ」
「何故だ?」
「私のことが好きって、貴方の目が言ってるんだもの」
本当はただの勘なのだけれど。耳を赤くして怒鳴る三郎の照れ隠しが可愛くて、本当のことを言うのはもう少し後にしようと思った。





不破夢/
「来世があるのなら、今度こそ貴方といきたいわ」
そう言って死んだ彼女は記憶の中で微笑んでいた。その微笑みを僕は今日も探している。
家に縛られることはなくなった、自由に人を愛せるようになった。だからもう一度言ってほしい。僕も君を愛していたと伝えたい。
それだけは、迷わないから。





食満夢/
「寒くなってきたな」
「そうですねぇ」
「火鉢が欲しいとまでは言わねぇけど」
「まだ早いですもんね」
「…お前はどうだ?寒くないか?」
「…少し、寒いです」
「だよな。じゃ、温かい茶でも─」
「だから、もう少しお傍に行ってもいいですか?」
「……ああ、そうだな」





平夢/
姉様、と私を呼ぶ許嫁の頬をするりと撫でる。相変わらず綺麗な顔に、しかし今日は似合わぬ疲れが見えた。横になるように言えば素直に私の膝に頭を預ける彼は、今日の委員会活動がとても大変だったと言外に語る。そのまま撫でるとすぐに聞こえてくる寝息。今日はお疲れさま、ゆっくり休んでね。





双忍夢(ほぼ鉢屋)/
らいぞ、と舌足らずな声が名前を呼ぶ。私は手を広げて迎えると「どうしたの?」彼のように笑ってみせた。まだ幼い少女は私の変装を見抜けない。雷蔵として遊んでやって、雷蔵が帰った来たらこいつはどんな顔をするだろう。またこんなことをしてと雷蔵は呆れるだろうが、それもまた一興、だ。





食満夢/
目の前に転がされた蜜柑についてどう反応すればいいのだろうか。こちらをじっと見つめる少女の目に期待が込められている気がして、溜め息を吐いてから蜜柑を剥いた。筋まで取ってから一房差し出せば、ぱっと表情を明るくして口を開く。放り込んでやりながら、まるで雛鳥だなと苦笑が漏れた。





七松夢/
やりたくないけどやるしかない、だってそうしなきゃ迷惑でしょう?そう他人のせいにし続けてきた私への天罰だろうか。私の幼稚な言い訳を聞きだした七松先輩は首を傾げた。責められるのが恐くて、私は視線を落とす。
「お前はそれでいいのか?」
先輩の言葉に、びくりと私の肩が跳ねる。七松先輩の声は至って普通なのに、怒られている気になってしまうのは、それじゃ駄目だと分かっている、から?
「後悔するのはお前だろう。やりたいならそう言え。やりたくないならそう主張しろ」
先輩が私の顔を上げさせる。太陽よりも明るい笑顔。
「心配するな。私は全部肯定してやる!」





食満夢/
「俺が仕事から帰ってきて、『ただいま』って言うだろ。そしたらお前がわざわざ玄関まで出迎えるわけだ」
「うん」
「そして天使のような笑顔で『おかえりなさい。ごはんにする?お風呂にする?』と俺に問いかける」
「なるほど」
「その問いに俺はこう答える…『勿論飯だ』と」
「健全だね」
「飯を食い終わったらお前が先に風呂に入り、その間に俺は洗い物をする。掃除機もかけてやるからゆっくり入ればいい」
「いいの?」
「俺が風呂に入った後は二人でテレビを見たり、たまに酒を飲む」
「たまにね」
「眠くなったら同じベッドで寝る。そんな生活がしたい」
「つまり?」
「結婚しよう」


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