横に線が書いてあるだけの真っ白いノートの真ん中ら辺に“グラン”と三文字だけ書いてみた。窓の外に目を移しても、山と森しか見えず、つまらない。それ以前に、何で俺達ジェネシス11人だけのために授業なんてするのかが理解できない。前に座っている栗色のストレートヘアの後ろ姿もかっくんかっくんと揺れている。
こんなつまらないことをしているくらいなら、早く練習したい。そして、彼に会いたい。
何でこんなことを…。ふっと一人で微笑んだ。彼は俺で、俺は彼なはずなのに。
ここに居るのが一人だったなら、声を上げて大爆笑していただろう。ふるふると震える身体を無理矢理押さえて、笑いも堪える。
何をしているのだろう。白紙のノートに書かれた三文字を指でなぞって、彼を脳裏に思い浮かべた。髪の色も目の色も肌の色も身長も体重も…全部全部同じなはずなのに、彼が愛しくて愛しくてたまらない。でも、俺は彼に決して会うことはできない。悲劇のお姫様だって、大好きな人に会うことくらいはできる。

―嗚呼、じゃあ俺は一体、何なのだろうか。

「はは…あはははははっ!!」

気付いたときには、俺は狂ったように声を上げて笑っていた。王子に会うことが出来ない姫なんて、おとぎ話にはいらない。
それでも俺は、背中合わせの君に愛を。


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グラン←ヒロトです。
若干学パロかな?
まぁ、そんなにありませんが。
ちなみに、栗色のストレートヘアはコーマです。

こういうの、好きです。



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