「なまえ、ヒロト知らないか?」 「ヒロト?」
サッカーボールを抱えたままの守が俺に心配そうに聞いてきた。ヒロトの行き先はだいたいわかってるけど、ちょっと心配だ…。
「守。ヒロトは俺が探して連れて来る」 「心当たりがあるのか?」 「うん。まぁね」 「そうか、頼んだぞ、なまえ」
分かった、と手を振ると、俺はダッシュで彼処へ向かった。
――――
俺はまっすぐに河川敷に向かった。川は夕日を受けてキラキラと輝いていた。そんなところで、ヒロトは堤防に腰かけて、ぼんやり川を見ていた。
「やっぱり、ここに居た」 「みょうじ…くん?」 「なまえって呼んでって、言っただろ」
おでこを突っつくと、ヒロトは照れたように笑った。それから言い直した。
「なまえくん、どうしてここに?」 「どうしてって、ヒロトを探しに来たんだよ」
ここに居るのは何となく分かってたけど、と続けると、ヒロトはやっぱり?と苦笑い。その少し困ったような笑顔に吸い込まれるようにして、唇を重ねた。まだ、片想いなのに、なんて思っても、既に時は遅し。…でも、後悔はあんまりしてない。
「あ、ごめん…ヒロト……」 「え?あ…あの」
まだまだ、俺の片想いなハズなわけで。とんでもなく気まずい空気が二人の間に流れる。
「えと、あの…守が呼んでるから…。その…帰るか?」 「うん」
要件を言って、俺はさっさと振り返る。あーもう、何してんだよ、と後悔はしていないとは言ったものの、さすがに自己嫌悪に陥っていると、ボスっと腰の辺りに何かが抱き着いてきた。
「へ…?ヒロト?」
まぁ、他に誰かが居るわけでもなく、俺はその場に立ち止まらざるをえなくなる。
「なまえ…は、俺のコト、好きなの?」 「は?」 「嫌いだったら、えっと…キス、なんて、しない…よね?」 「ま、まぁなぁ…」
俺がそこまで言ったところで、ヒロトはもっとギュッとくっついてくる。
「俺は、なまえが好きだよ?」 「…ッ!!ヒロト!」
気付いたときには既にヒロトを抱き締め返していた。
「俺もヒロトが大好き」
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節操のない、夢主。 そして、ヘタレという。
久々だな…夢。
文才が欲しいです。
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