「ヒロトはおおきくなったらなにになるの?」

ひなたぼっこをしながら、狐目の小さな男の子が、ヒロトと呼ばれた、鮮やかな赤毛の男の子にたずねた。

「うーんとねぇ、おひめさまになる!」
「えー?」
「じゃあ、なにがいいの?」
「え?じゃあねー、ボクがヒロトのおうじさまになってあげるよ」

約束するよ、と狐目の子が赤毛の子に小指を差し出した。
しかし、そんな穏やかな日々は、そう長くは続かなかった。

「グランは大きくなったら何になりたいんですか?」

ひんやりとした鉄の建物の中で、狐目の少年が、グランと呼ばれた、鮮やかな赤毛の少年にたずねた。

「うーんとねぇ、何だろうね。無くなっちゃった」
「そうですか」
「じゃあ、何がいいの?」
「え?そうですねー、俺がグランの騎士(ナイト)になって、貴方の夢を探します」

約束します、と狐目の少年が赤毛の少年に小指を差し出した。
夢すら失った少年と、その彼の為に生きる少年。ハイソルジャーとされた彼らには、もう過去のような穏やかな日々が戻ることは無かった。



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