フォークに乗ったショートケーキを食べようとすると、グランが、あ、と小さく声を上げた。

「生クリーム付いてる」
「え、何処ですか」

ほらここ、とテーブルの向かいに座ったグランは身を乗り出す。指で拭き取られるかと思ったら、直接舌で舐めとられた。

「ちょっ…////」
「甘い。…あれ?コーマ顔、赤い」

にっっぶ。そう思ったものの、口には出さなかった。至近距離で見つめてくるグランの吐息が、鼻先を掠める度、心拍数がバクバクと上がっていく。

「…あの、」
「んー?」

至近距離のまんまグランは笑った。
あぁ、この人は何故こんなにも美しいのか…。

「好きです。愛して、ます…」
「…っ……」

何か言おうとしていたようだったグランにキスをして塞いだ。
グランの唇は、生クリームよりも甘い味がした。




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