「コーマは俺のこと、満たすための道具だとしか思ってないんでしょ?」

グランのその言葉に、俺は固まるしかなかった。

「何が、でs「うるさい、うるさいっ!」はい?」

どうやら、俺に反論する権利はないようだ。しかし、わざわざ休みの日に、そんなこと言うために俺の部屋まで来るとは…いい度胸ですね。

「…何が、あったんですか?」

むっとして、部屋の隅で縮こまるグランに威嚇されながらも近づいていく。突然そんなことを言い出すなんて、何もないわけがない。第一、俺はちゃんとグランを心から愛しているし、道具としてしか見ていないのなら、コスプレをさせてご奉仕までさせたり、玩具を使ったりなんて、まずしないだろう。

「だって、ウルビダに言ってたじゃん」
「え?」
「ム…“好きなんですよ、貴女の事”って」

話は最後まで聞きなさい、て俺は盛大にため息をついた。

「あれは、ウルビダに“何て、グランに告白したのか”って聞かれたので、答えただけです」
「へ…?」

グランは目を見開いて、フリーズした。そして、みるみるうちに真っ赤になっていく。

「…俺の、勘違い?」
「おっそいですね。俺がウルビダを口説くと思いますか?それに、毎日ヤってるのに、今更身体だけだと思いますか?」

にっこりと微笑みを浮かべたまま、俺はグランに詰め寄る。

「俺の休日を潰した罪と、早とちりの罪は重いですよ?しっかりと償ってもらわなくてはですね」
「え?ちょ、コーマ…まだ、昼」
「刑執行に時間は関係ありませんよ?」
「…もう、何でもいい」
「そうですか」
ギュッと小さくなったグランの額にキスを落として、腕と足が緩んだところを姫抱きにする。太陽の下で見る、グランの緋色の髪は凄く美しかった。



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