このままじゃいけない、と言って、グランは俺に別れ話をきり出した。

「コーマのことは好きだよ。でもね、駄目なんだ…」
「俺は、貴方の言っている意味がよくわかりません」
「わかって…コーマ」

そう言ってグランは俺の頭を儚げに撫でてきた。そんなことで、俺が承諾するとでも思っているのか、哀しそうな笑みを浮かべて、グランは去ろうとする。

「別れませんし、分かれません」

背を向けたグランを後ろから抱き締めて、囁くように言った。本当に、離したくないんですから…。

「…俺を、振るつもりですか?」
「……一緒に居ちゃ、駄目なんだよ…」
「そうですか」

俺はゆっくりとグランを離す。それから、一つだけ、と続けた。

「一つだけ、言わせて下さい」
「うん」

こちらを向いてくれるか、と思ったが、グランは振り向かずに返事をした。それを切なく思いつつ俺は言う。

「俺も、グランが大好きです。俺はいつまでも…貴方の…味方ですから」

何があっても、そうしようと決めた。ずっと、グランの味方で居ようと、ガイアに入ってからそう決めていた。だから…俺は…。

「貴方の意志に従います……グラン、様」

俺は跪いて、恭しくそう言った。明日…いや、今から一線をおくということを、肝に命じながら…。
――それでも、俺は貴方に従います。



俺を振るつもりですか?

***********

…最後の最後に、何がしたかったんだろう。お題に乗れてないし…
とにかく、かっこいいコーマが書きたかった…はず。病みルートに走らせようとして、止めました。

それでは、お題、最後です。
お題提供『確かに恋だった』様、ありがとうございました!

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