いつものように、綱海さんを眺めていると、今日はご本人が手を振ってくる。ついつい後ろを振り返ってしまっても、俺の後ろには誰も居ない。ちょっとだけ振り返すと、綱海さんは満足そうに笑ってから、視線をボールに戻した。


「綱海さん。さっき、手、振ってくれましたよね?」
「あ?…あー、振ったなぁ」

休憩時間になってから、俺が聞くと、綱海さんは思い出したように笑った。それがあまりにも可愛らしくて、思わず抱き付いてしまう。急に何だ!?とか言ってる綱海さんを無視して耳元で囁いた。

「綱海さん、大好きです」
「あー…ちょっと、それは駄目だ」

速答で答えられて、だいぶショックを受ける。もし、綱海さんに俺以外の想い人が居るのだとしたら、そいつを今すぐ抹消しにいこう。でも、綱海さんのその後の言葉で、その必要が無いことがわかった。

「今は誰かを好きになるとか、考えられねぇから」

ごめんな、と苦笑いをして円堂さんたちのところへ行ってしまった。でも、俺は諦めませんよ…。

「すみません、俺あきらめ悪いんです」

目はじっと綱海さんを追って、誰にも聞こえないように呟いた。
貴方が振り向くまで、本気で諦めませんから……。


すみません、俺あきらめ悪いんです

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病まなかった!
立向居くん頑張れ!!←え

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