「ギャップ萌えって、すごくよくわかるんだけど」 「いきなり何を言い出すんですか」
俺がため息混じりで言うと、ヒロトは楽しそうに笑った。
「だって、何でも完璧にできる恭馬なのに、案外絶叫マシンが駄目だったり、縄跳びが出来なかったりするんだよ?」
きゅんとするじゃん、とヒロトは言う。俺に同意を求めないで下さい。全くもって何にきゅんとするのかがわからない。それより、出来ないことがあるのは、マイナスではないのか。
「何でも完璧に出来るところのマイナスだから、いいんだよね」 「意味がわかりません」 「完璧すぎてもつまんないでしょ?」 「まぁ、そうですけど……でも」 「でも、俺は完璧じゃなきゃ、とか言い出すんでしょ?」
俺の考えていることは、ヒロトにはわかってしまうようだ。
「そうです。そうでなきゃ、俺はヒロトと釣り合えません」 「そう?現に恭馬は苦手なものもあるけど、素敵な俺の騎士様なんだけどな」 「そう、ですか」
仕方なく頷けば、ヒロトは満足そうに微笑む。俺の世界で一番愛している人はヒロトだけれど、同時に、世界で一番の弱点もヒロトだと思う。俺は苦笑した。すると、ヒロトはニヤリと片方の口角を上げた。
「あ、カエル」 「へ、ちょっと、どこっ…ですかっ」
俺が涙目になるほど必死になっているのに、ヒロトは大爆笑し始めた。しばらくしてから、はめられた、と気付いて、俺は自己嫌悪に陥る。それと同じくらいの時に、ヒロトは笑ったまま言った。
「やっぱり、ギャップは萌えだよね」
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ふっふっふーヽ(´ー`)ノ
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