「これじゃ、駄目」

グランの言葉に俺は一向に首を振ることしかできない。そんな俺にグランは抱き着いてきた。

「…ねぇ、不安に…させないで」

言葉を出すかわりに、騎士が忠誠を誓うように、手の甲にキスをする。それから、唇を重ねた。
貴方を不安にさせるなんて…、俺は貴方の騎士(ナイト)失格、ですね。だから、今度は決して不安になんてさせませんから。
そう思って、抱き締める腕に力を入れた。


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