一日の練習も終わった夕方、俺はまだグラウンドで練習するヒロトの姿を見つけた。
「ヒロトー!!」
「あ、円堂くん!!」
俺がブンブンと手を振ると、ヒロトも大きく返してくれる。
「何だ、まだ練習してたのか?」
「うん…俺も、みんなの役に立ちたいから」
そうヒロトは笑って言った。人一倍頑張っているヒロトは、いつもグラウンドで誰よりも輝いている。それは、俺がヒロトのことが好きだから、贔屓目で見てしまうからかもしれないが、ヒロトが頑張っていることは、みんなが知っていた。
「充分ヒロトは頑張ってると思うんだけど」
「ううん。まだ、足りないよ」
ヒロトは夕日を睨んだ。今にもヒロトが消えてしまいそうで、俺はヒロトの手を握り締めた。
「円堂くん…?」
「ヒロト……」
「ん?」
「一緒に頑張ろうな」
俺は恥ずかしくなって、とりあえず、そう言っておいた。
好きだなんて、今はまだ言えない。
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円堂→ヒロト
10年後の二人の関係が気になりすぎて、夜も爆睡だわ←