「なまえは、」
「俺と兄貴、」
「「どっちを選ぶ?」」

そう、士郎とアツヤがたずねてきた。

「え、えっと…えー……どっちも」
「「どっちもはなしで」」
「え、えぇ…」
「僕か、」
「俺か、」
「えっ……選べねぇよぉぉ!!」

というところで目が覚めた。額に手をやると冷や汗をかいている。どんだけ悪夢だったんだよ。苦笑いを浮かべて、着替えようとすると、廊下をドタドタと走る音が。

「なまえーーーっ!」

俺の名前を呼ぶ、アツヤの声。あ、ヤバい。俺は危険を察知して、布団に潜った。ドアをノックする音。無視無視。無視だ。

「なまえ、起きてないのかなぁ?」
「まっさか、寝てたら、叩き起こしてやるまでだ」

あぁ、怖い。俺、叩き起こされたくない。いや、だけど、会いたくもない。今じゃなくていいだろぉぉ。ってか、ここうちだよな?何であいつら居るの?なまえくん、引きこもるよ?サッカーやらないよ?

「なまえーーー、起きやがれ」
「なまえくーん?起きないと、どうなるかわかってるよね?」

え、ちょ、わかんないけど。俺何されるの?え?え?

「アツヤ、やっちゃって」
「言われなくても。…エターナル……」
「ちょぉぉぉぉぉぉっと待ったぁ!」

俺は人ん家でエタブリをぶっぱなそうとしてるアホを止めるために、米粒ほどの勇気を振り絞って、ドアを開けた。目の前にはご満悦な吹雪兄弟。…あぁ、止めときゃよかった。

「おはよう、なまえ」
「なまえ、はよ」
「うん。おはよう…。で、何しにきたんだよ。今日は練習休みだろ?」
「そうなんだけど…ねぇ、アツヤ?」
「なぁ、兄貴?」

にたっと二人で顔を見合わせて笑いあう。何だ、何だよ…。俺は腕組みをした。

「ちょっと質問があって…」
「え?」

嫌な、予感がする…。

「なまえは、」
「俺と兄貴、」
「「どっちを選ぶ?」」
「ごめんなさいぃぃぃぃぃ!!」

俺はそう叫んで、部屋を飛び出した。
ごめんなさい。俺には二人とも可愛すぎてどっちも選べません。


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まさかの別体設定
え、こんな感じじゃない?




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