俺は目の前のもさもさした、紫をわしゃわしゃと撫でた。
「ふわっ、何すんだよっ」
びっくりしたなぁっ、と俺を見たのは、もさもさした紫の髪の持ち主、俺の幼馴染みの月村憲一。愛称、けん。
「けんー」
わっふぅと抱き着くと、ぬくぬくしてて落ち着く。あぁ、暖かい。
「けん、あったかい」
「んー、普通じゃねーの?」
「普通じゃねーの」
「ふーん、そーかぁ…」
何でもいいや、といったふうに、けんは笑った。俺はけんの笑顔が昔っから大好きだ。けんがにっと歯を見せて笑うと、特徴的な八重歯が覗く。それが好きで好きで仕方なかった…いや、今もか。
「けん、」
「んあー?」
「いんや、何でもない」
もっかい笑って、何て今じゃ言えない。俺は一人で笑ってしまっていた。
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月村って…どんな口調よ彼
結局名前呼ばんかったし
友人よりリクエストでした