ゴォーンと高らかに鐘の音が空に響く。俺は黒い愛馬に跨がっていた。

「恭馬、」

俺の前に居る愛しいお姫様が俺を呼んだ。はい、と返事をすると、美しい笑みを浮かべる。

「騎士様から王子様になったところで…クラウンがあるんだけど」
「えっと…」

俺は言葉に詰まった。俺は永遠の騎士であると、心に決めていた。王子になるなんて…考えられない。

「本当だよ?」

俺が信じていないと思ったのか、ヒロトは、ほら、と大切そうに抱えていた箱を開けた。中には、キラキラと輝くクラウンが入っている。

「…わぁ」
「これを、恭馬に」

俺の頭にのせようとしたヒロトの手をせいした。

「え?」
「俺は、永遠に貴方の騎士ですので」
「じゃあ、王子様には…」
「えぇ、残念ながら、なりません」

俺はヒロトの手からクラウンを奪って、箱に戻す。そして、ヒロトの頭のティアラをすっと取った。

「愛する貴方へ…やっと、俺だけのお姫様になりましたね」
「うん…」
「夢にまで見たティアラを貴方に捧げます」

お伽噺も、これでハッピーエンド。俺は、そっとヒロトに口付けた。


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余は満足じゃ
あざっした
うへへー

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