「俺さ、思うんだけど」

テーブルの向かい側に座って、黙々と作戦を立てる恭馬に投げ掛けた。俺のその投げ掛けに、恭馬はちょっと顔を上げる。

「何ですか」
「恭馬って可愛いと思うんだよね」
「は?」

恭馬はポカンと口を開けて俺を見た。

「なんか、しぐさとかもう全部が可愛いんだって」

そう付け加えると、恭馬はばっと一気に赤面する。ほら、可愛い。

「なっ、にを…言って……」
「本当のことだから。…おいで、恭馬」

赤くなって俯く恭馬を抱き寄せて、俺の膝の上に乗せる。髪を撫でてやると、恭馬は幸せそうに微笑んだ。

「恭馬が一番可愛いよ」
「なまえは…おだてても、何も出ませんよ」
「本音だよ、馬鹿」

俺は恭馬を抱き締めた。ほら、やっぱり可愛い。


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とにかく、可愛いって言わせたかっただけです

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