「恭馬…」 「はい、紅茶です」
コトンと目の前に置かれた、お気に入りのティーカップには、いい香りのする紅茶がはいっていた。恭馬は俺が言う前にちゃんと用意していてくれた。しかも、前から用意していてくれたといっても、決して冷めていない。
「なんでわかったの?」 「あれ、前にも言いませんでした?貴方のことで、俺にわからないことは無い…と」
確かに聞いたことが無いわけでは無い。でも、さすがにここまでとは思わなかった。
「全く、何年の付き合いだと思っているんですか?ヒロトの手の動きとか、一つ一つを見ていれば、そのくらいわかりますよ」 「そういう、もの…?」
そうです、と恭馬は頷いた。恭馬は変なところで真面目だ。特に俺のことだと。自惚れている、とかそういうのではないが、恭馬は俺を好きでいてくれて、愛してくれる。たぶん、たとえ世界が崩壊しても、俺が闇に堕ちてしまっても、それは変わらないことだと思う。俺が全世界を敵に回しても、恭馬だけは俺の半歩後ろに、絶対に居てくれる。
「紅茶、冷めてしまいますよ?」 「あ、いただきます」 「ヒロト、」 「ん?」 「絶対に、俺の手の届かない所には、行かないで下さいね」 「うん。約束するよ」
恭馬の揺れる金色をじっと見つめた。紅茶も、恭馬と過ごせるこの夢のような時間も、ずっとずっとさめなければいいのに。俺は小さく祈った。
****** アンケより
最近、よくわからなくて泣きそう しかも、またあんまり甘くない
すまん
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