私が何か飲もうとキッチンに入ると、ヒロトがエプロンをして料理をしていた。

「風介か、ちょうどいいところに来てくれたね」
「ちょうどいいところにって、私は飲み物を取りに来ただけだ」
「ちょっと手伝ってくれないかな?」
「面倒だ」
「そんなこと言わずに…」

ね?と言って、ヒロトは白い液体の入ったボウルと泡立て器を私に押し付けた。

「生クリームを作りたいから、それをふわふわになるまで泡立てて」
「…わかった」

今更断るわけにもいかずに、仕方なく承諾する。ヒロトの手伝いはよくさせられるから、この作業がどのくらい大変かも、よくわかっている。手を休めることなく、ヒロトをチラリと見ると、鼻歌なんぞ歌いながら、オーブンを見つめていた。その姿に不覚にもキュンとしてしまった。

「風介…手、止まってるよ」
「あ、」

指摘されて我に帰る。見とれてしまっていた。
その後、邪心が出ないくらい一心不乱に生クリームを混ぜ続けて、やっとふんわりなってきた。

「ヒロト、こんなかんじか?」
「うん、オッケーだよ。ありがとね、風介」
「あ、あぁ…」

ふわりと微笑んだヒロトにドキリとした。ヒロトのこんな表情が見られるのなら、手伝いなんていくらでもしていいと思った。幸せな気分になった私は、飲み物のことなんてすっかり忘れていた。


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アンケより

アンケでいただかなければ、絶対書いてなかったと思われる
すずひろって、なんか和む

甘くならなくて申し訳ない



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