「ヒーロトっ」

宿舎に飾られたクリスマスツリーを見ていたら、後ろから声をかけられた。

「円堂くん」
「メリークリスマス、ヒロト」

そう言って円堂くんは、にかっと笑った。

「俺、クリスマスをヒロトと一緒に過ごせて嬉しいよ」
「んー、俺も…かな」

恋人、というくすぐったい表現ができるような、円堂くんと俺の関係。クリスマスは恋人同士で過ごす、そういう日なんだ、と前に姉さんが言ってた。思い出して、つい頬がゆるんでしまう。

「どうした?」
「円堂くんと一緒に居られて、嬉しいな…って」
「幸せだな、俺」

急に真面目な声になった円堂くんを見つめてしまう。

「大切な人と、一緒に居られるって、すごく幸せだと思うんだ」
「うん」
「一緒に居てくれてありがとう、ヒロト」
「円堂、くん…」

ぎゅうっと抱き寄せられた瞬間に、宿舎の電気が消えて、クリスマスツリーのイルミネーションだけが光った。
どんな美しい光でも、君さえ居れば、その美しい光さえもしのぐ光になる。

だから、君さえ一緒に居てくれれば、
輝く光などいらない


******

企画サイト『聖夜』様へ提出

円ヒロでこんなに甘いのを書いたのは初めてです
お題が素敵だったから、ちょっと冒険できた!

提出ギリギリになってしまいましたが、すごく楽しく書かせていただきました!
ありがとうございました!!

それではみなさん、メリークリスマス!


2010.12.23せっしょん!
ロイズ

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