「これから、どうなるんだろうね」
ふぅ、と切なそうな笑みを浮かべて言ったグラン…いや、ヒロトはしゅんと小さくなって体育座りをしていた。雷門に負け、することも無く途方に暮れる日々。サッカーをする気分にもなれない。ヒロトが呟く気持ちも分かる。
「どうなる、と言われましても、なるようにしか、なりませんね」
苦笑いで思ったことを言うと、ヒロトも小さく頷く。それにしても、習慣は怖いものだ。敬語はやめろ、と言われたものの、長年使っていたから、どうしても抜けない。一種の癖になってしまっていた。
「でもさ…」
「何ですか?」
「この関係は、崩れないよね?」
何を言い出すのですか…と、笑い飛ばすことは出来なかった。この先、何が起こるのか全くわからないし、正直、かなり不安だ。だから、俺は何も言わずにヒロトを抱き締めた。
「それは、わかりません」
不安そうに顔を上げたヒロトを見て、でも、と続ける。
「たとえどんなことがあろうとも、俺が貴方を守ります」
「…ありがと」
キュッとくっついてきたヒロトを、さらに力を入れて抱き締める。
大丈夫です。俺は貴方を愛していますから。