「ん」

ポッキーをくわえたヒロトが、わかるでしょ、と言わんばかりの表情で俺を見つめる。

「嫌です」
「んんんー。んんんー」
「そう言われましても…」
「わ、わかったの?」
「なんでー。やるのー。ですよね?」

くわえていたポッキーを右手で持って、ヒロトは驚いたように言った。ヒロトのことで、俺にわからないことはありませんよ。

「チョコの付いていないところから食べるなんて嫌です」
「えー、そんな?」
「それに、食べていかないと、ヒロトとキスできないなんて、焦れったくて嫌です」
「いつもは焦らすくせに」
「それとこれは別です」
「ロマンがなぁーいっ!!」
「んんーッ?!」

ずぼっと無理矢理ポッキーをくわえさせられて、一瞬フリーズ。その間に、ヒロトが反対方向をくわえる。
ポキリポキリと地味な音が部屋に響く。こうなったら仕方がない、と俺も少しずつ食べ進めていく。

「…っん」

唇が少し触れた瞬間に、すかさず噛み付くようにキスをする。俺よりもチョコを多く食べていたヒロトは、ものすごく甘い。
ちょっとだけ、ポッキーゲームも悪くないかも…と思った。



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