某カロイドの曲パロです その曲を知らなくても 全然問題ないです でも、苦手な方はご注意下さい
「もしもし?ヒロト?」 「うん、そうだけど」
携帯にかかってきた電話を取ると、円堂くんがいつもより低い声で聞いた。今はまだまだFFI真っ只中。宿舎の深夜は静まり返っている。…というか、俺の携帯にかけたんだから、俺以外が出るはずないのに。
「ごめん。起こしちゃったか?」 「ううん。起きてたよ」
今日はいつもよりも空が澄んでいたから、星を眺めていた。星座をいろいろ探していたら、いつの間にかこんな時間になってしまっていた、というわけだ。
「どうしたの?」 「…ちょっと、外に出られるか?」 「うん。大丈夫だけど?」 「じゃあ、グラウンドで待ってる」
そこでブチッと切られてしまった。何だか、いつもと違う円堂くんに若干不安を感じながら、黒いTシャツの上にジャパンのジャージを羽織った。
―――
外に出て宿舎の前のグラウンドを見ると、円堂くんはセンターサークルの真ん中で寝転がっていた。
「円堂くんっ」 「あぁ、ヒロト。ごめんな、遅くに…」
俺を見た円堂くんは半身を起こして言った。今の円堂くんには、いつもみたいな元気がない。でも、円堂くんは俺を見て、少しだけ笑みを浮かべてくれた。
「どうしたの?」
何かあったの?とおれは円堂くんの隣に座りながらたずねる。まぁ、何も無かったら俺を呼ぶわけないんだけど。
「…俺が、ジャパンのキャプテンでいいのかな……」 「円堂、くん…」
そんなに悩んでいたのか、いつもの円堂くんからは想像もつかないような、思い悩んだ声で言った。もしかしたら、泣いていたのかもしれない。少しだけ、声が震えている。
「俺は元々、弱小サッカー部のキャプテンだったけど、日本代表のキャプテンなら、日本一のチームを引っ張っていた鬼道や、いくつものチームの頂点のチームのキャプテンだったヒロトの方が向いてると思うんだ」 「そうじゃないよ」
自分でもびっくりするくらい、強い声が出てしまった。円堂くんもびっくりしたみたいで、ハッとした表情で俺を見た。
「ヒロト?」 「円堂くんがキャプテンじゃないと駄目だから、円堂くんがキャプテンに選ばれたんだよ。それに、あの久遠監督が向いてない人を選ぶと思う?」 「思わない」 「みんな、何かしら円堂くんに動かされているんだ。新しく仲間になったみんなも。みんな、円堂くんを信じているんだよ」
瞬く星から円堂くんに視線を移すと、ばっちり目が合ってしまった。
「円堂くんを宇宙に連れて行けたらいいのに」
照れ臭くなって、また星に視線を戻して呟く。
「宇宙に行けば、身体の重さが1/6になるんだ。だから、辛いことや悲しいことも全部1/6にならないかなって。それだけなんだけど」
あはは、と苦し紛れに笑ってみる。円堂くんの悩みが消えるなら、今俺は出来る限りのことをしてあげたい。
「ヒロトは優しいんだな」 「そんなことないよ」にこっと円堂くんに笑いかけたら、円堂くんは自分の手を俺の手に重ねた。円堂くんの手は大きくて暖かくて…。
「俺もいつかはヒロトの太陽になれるように頑張るから」 「今でも十分、円堂くんは太陽だよ」
ぎゅっとてを握られて、何だかとってもドキドキした。空はだいぶ明るくなりはじめていた。
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くどー監督の字を間違えてる気がする 楽しかった ただのイメージですよー
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