だいぶ練習にも辛くなってきた頃から、彼は俺に何か優しく接してくれるようになった。ちょっとでも転んだりしたときに、一番に駆け付けてきてくれるのは彼だし。
自惚れだとか、何とでも言えばいいじゃないか。確かに彼に惹かれてるのは、紛れもない事実だし。仲間…それ以上の気持ちだって、言うのだって自覚はしている。
だって、彼が近くに居るだけで、心臓がバクバクして、取れちゃうんじゃないかってくらいだ。さらに、触られたらもう、失神して倒れそうになる。彼の一つ一つの言動、行動に胸がキュンキュンしてしまうんだ。
末期症状?そりゃあそうだよ。好きだもん。最近の俺は悩める乙女か、ってくらい、彼のことが頭から離れない。結構俺って乙女なわけ?…また違う悩みが。

「グランっ!」

「え、あぁっ!?」

がっくりと肩を落としていると、急にウルビダに呼ばれてびっくりした。まぁ、そんなわけで、パスが受け取れるわけもなく、後ろに逸らしてしまう。

「ごめん」

「何だ。お前らしくないぞ、グラン」

「あー、うん。…ボール、取ってくるね」

集中してなかったとは言えずに、何とか曖昧に誤魔化す。何だか、本当に調子が悪いな…とか思いつつも、チラリと彼を見た。……あれ?何か、目があったような…。
自意識過剰だ、と自分に言い聞かせながら、ボールを取りに走り出した。

不意に視線が絡まったのは、きっと、偶然

お題提供『確かに恋だった』様


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