一応、二年後くらいの設定です そういうのが苦手な方はお戻り下さい
何だか、今日は久しぶりに公園に行きたくなった。何故だかは、全くわからない。ただ、行きたかった。 俺はお気に入りのスニーカーを履いて、ドアを開けた。
――
公園に来たはいいものの、特にすることもない。周りは小さい子供たちばかりだし、ブランコとか、そういう気分でもない。
「あ、そうだ」
小さい声で呟いた。自分が小さかった頃、この公園の奥に秘密基地を作ったんだった。気がつけば、自分の足は既に駆け出していた。秘密基地に辿り着いたが、そこには先客が居た。
「あの…えっと?」
懐かしいような後ろ姿に声をかけた。この場所は大好きだった…じゃなくて、今も大好きな彼と俺しか知らないハズの場所だ。まさか、と思ったが口は勝手に彼の名前を呼んでいた。
「恭馬?」 「ヒロト…?」
公園に行きたかった理由が、今やっと分かった気がした。きっと、恭馬が公園に居る、というのが分かっていたのだろう。
「恭馬っっ!」
だっと駆け出して、恭馬の胸に飛び込む。
「会いたかった。会いたかったよ…」 「俺もですよ、ヒロト」
ぎゅぅっと抱き締めてくれる優しい腕は、今も昔も変わっていなかった。温かくて、安心する。
「変わってませんね」
恭馬が呟いた。
「貴方はまだ俺に甘えてくる。まぁ、いつまでも甘えてくれていいんですけど」
ふっと笑う恭馬こそ変わっていない。いつまでもあの飄々とした表情だけは読めない。
「ねぇ、恭馬?」 「はい、何ですか?」 「何でここに来たの?」 「えっと、何となくです」
その恭馬の返答に思わず笑みがこぼれた。嗚呼、この再会は運命によって定められていたのだろうか。
|