氷と炎。それは、決して相容れない運命にある。でも、そんなことは表面上の話だ。互いに想い合ってしまえば、そんなことは関係無くなる。 例え、それが“絶対にイケナイ事”であっても……。
誰にも秘密で屋内練習場の裏で、毎日ガゼルと会う約束をしている。そこには、今は使われていない小さなサッカーゴールが一つだけ残っていた。今はそこの前でガゼルがリフティングしている。その姿を俺は体育座りをしながら眺めていた。
「なぁ、ガゼル?」 「何だ?」
そう言ってガゼルはリフティングしていた足を止め、俺を見る。俺はガゼルの強い視線と自分のを絡ますことが出来なくて、ギュッと膝を抱えて、サッカーゴールを見つめた。
「俺たち、本当は…いけないんだよな。こんなことしてちゃ」 「本当は、な」
ガゼルは俺の一言に再び、リフティングを再開しながら答えた。ヒョイっとボールを蹴る姿はあまりに眩しくて、直視出来ない程。氷が煌めくと、こんなにも綺麗なのか…と、みとれていると、ガゼルがでも…と続ける。
「気付かれなければ、何もないだろう」 「軽く言うな。それが大変なんだろ…」
そうだ、この前だって、グランに『バーンは最近、夕方にどっか行ってるみたいだけど…』と言われてしまったのだ。気付かれるのも時間の問題だろう。ふっとため息をつくと、ガゼルが俺にボールを蹴ってきた。
「だったら、いっそ駆け落ちでも、してみるか?」
ボールを持った俺に、ガゼルはじりじりと迫ってくる。挑発的なその言葉に、カッと顔が赤くなるのが自分でも分かった。
「……どうする、バーン?」 「……っぅん…」
後ろに倒れた身体に乗っかられて、唇を重ねられる。深く、深く口付けられた数分後、ようやく離された。
「バーン、」
ガゼルは俺を呼ぶと、右手を差し出した。俺は、その手に無言で左手を重ねる。それから、右手にサッカーボールを抱えたまま立ち上がった。痛いほどに握られた左手がとても嬉しい。
「行くぞ」 「付いていくから」
ガゼルはぐいっと繋いだ手を引くと、一気に駆け出した。このままどこか遠くへ。誰にも見つからないところまで、連れて行って。俺はずっと、ガゼルに付いていくから…。
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……甘っ!! 自分で書いてて思いました。 なんだか、支離滅裂だし… 本当にすいません。
20000…本当にありがとうございます♪ これからも頑張ります。
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