「はーるやっ」
「わ、なまえか」

か、とは何だ。と頭をぐりぐりすると、晴矢の頭のチューリップもわさわさした。

「やめろよ」
「あぁ、わりぃ、わりぃ。チューリップが枯れるよな」
「っるせーっ!!」

きしゃーと威嚇されて、俺は苦笑い。晴矢は人懐っこい猫みたいだ。足元に転がってたボールをリフティングしたら、そのまま晴矢に奪われてしまった。

「油断してんじゃねーよ」
「油断なんてしてないけど」
「ボール奪われてる奴がよく言うよ」
「まぁ、それ以前に俺は晴矢に心を奪われてるから」
「なッ……!!」

照れてる照れてる、と晴矢を抱き締めると、俺の腕の中から出ようともがき始めた。なんて可愛いんだ。そんなふうにもっとギュッとしたら、諦めたのか、晴矢はもがくのをやめた。

「俺は絶対、なまえなんか好きにならねぇからな!!」
「へーえ、俺に抱き締められて、そんな顔真っ赤にして、誰が俺を好きにならないって?」
「俺だよ!馬鹿ぁぁぁぁ!!」

頭を撫でるとまた払われた。
全く、素直じゃないんだから。


誰が俺を好きにならないって?

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晴矢可愛い
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