「恭馬ー」
「何ですか、離れて下さい…」

椅子に座っている恭馬に、後ろから抱き着いてみた。案の定、ものっそい嫌な顔をされて、手をつねられた。

「痛い、痛い…」
「え?もっと痛くして下さい、ですか?」
「言ってな……ッ!!痛い痛い痛いムリムリ皮膚破けるから!あァーーッ!!」

とか叫んだけど、優しい優しい恭馬くんは、手を離してくれた。

「痛いなぁ…」
「なまえが変なことをするからです」

腕を擦りながら言うと、ばっさり恭馬に斬られた。あぁ、さみしい。

「用事がないなら、帰って下さい」
「あらあら、恭馬くん冷たーい」
「冷たくてけっこうです。俺は貴方にどう思われようと関係ありませんから」

またまた、ずっぱり斬られた。だけど、今度は俺はへこたれない。じっと恭馬に顔を寄せた。

「なっ、何ですか…」
「関係ないとか言いつつ、実は恭馬、俺のこと、気になり始めただろ」
「はっ…!?」

ばっと視線を上げて、真っ赤になる。そんなこと…とか口では言っているが、顔に出てるぞ、恭馬。

「ま、俺は恭馬からならいつでも大歓迎だがな」
「勝手に言ってればいいじゃないですか」

ぐぅ、と唸ってからまた下を向いた恭馬に俺は手を差し出した。

「なぁ、恭馬?サッカーしに行かね?」
「……行きます」

ギュッと手を握り返された。俺は床に転がってたボールを足で上げてから、腕に抱える。

「離すなよ?」

俺はニヤリと笑って、恭馬の手を勢いよく引いた。
外には、気持ち良いくらいの青が広がっていた。


俺のこと気になり始めたんだろ

******

自惚れ夢主何だかんだ嫌いじゃない

恭馬かわいいよ恭馬

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