チラリと翡翠色の瞳が涙に揺れた。目の端から零れる僅かな水分さえもいとおしく感じられて、それを自分の指で掬い取った。
「グラン、」
「う…駄目、だってぇ…」
グランはぐずっと鼻を啜って、俺から一歩離れる。腕を伸ばすと、その手をやんわりと押し返された。
「優しく、しないで…」
「じゃあ、何で泣いてるんですか」
揺れる瞳の少し上に口付ける。今度はおもいっきり押し返された。
「嫌いだよ、コーマなんか」
「そうですか。俺は愛してますよ」
ぐっと手首を掴んで無理矢理抱き締める。グランが動けないようにギュッと。
俺だって、一応はグランから離れようとしている。グランは“俺達”のキャプテンだから。でも、一度…いや、何度も愛し合ってしまったわけだから、今更離れられるわけがない。これが、依存、というのもわかっている。
「愛してます。世界中で誰よりも」
離れようとは思った。でも、揺れる貴方の瞳に惑わされて…
嗚呼、貴方から離れられるわけがないじゃないですか。
その瞳に惑わされた