Afterword.


大変長らくお付き合い頂きましてありがとうございました。
あとがきのほうが難産な気がします。不思議なものですね。

零式長編を書き始めたのは、初めてクリアした一ヶ月後かそのあたり、PSP版発売の二ヶ月後頃、冬になったばかりだったかと記憶しております。2011年発売だったみたいなので、この長編を六年と数ヶ月かけて書いていたわけです。
遅いよね。頭抱えてます今。その間一回完結させて、納得いかねぇ!!と一人で大騒ぎして書き直しを始め、やっとこさ書き終えるまでで六年。ずっとお付き合い頂いている方もいて、ありがたいやら申し訳ないやら……本当にありがとうございました。


せっかくですので、毎度ですが裏話的なこともしたいと思います。夢主の話等も多分に含まれますので、苦手な方はここでお戻りいただけますと幸いです。


□展開について
 全員生き残りルートでしたね。クラサメさん救出は最初っから決めてましたが、0組救出はすごく悩みました。
 零式って、あれだけ愛情を込めて育てたキャラたちが、命をかけて戦って死んでいくっていうところに最大級の魅力が地雷の形して埋まってるっていう作品だと思っていて、それを改変させてしまうのは果たしてアリなのか、アリだとして私の技量でそこに説得力を持たせた長編なんぞ書けるのかと割と初期から悩んでいたように思います。普段から山奥の自給自足庵みたいな心持ちで過ごしているものですから、他サイトさんがどうしているのか知らないし、いや知ったところで安心して真似たらそれはパクリというんだよということで、庵で食っちゃ寝しながら自己責任で展開を決めました。
 まずクラサメさんを生き残らせた理由ですが、そもそも生き残らないのであれば夢主の存在がいらないな……っていう発想からですね。うちの夢主なんて可愛くも優しくもないのに、クラサメさん助からないならいなくてもいいよねって思ってしまって。更に、0組生き残りルートに確定させた所以としては、クラサメさんが生き残ったらきっとそうなると思ったからです。四天王なんて呼ばれた連れ合いを連れて行かれてあんなふうに心を閉ざした人が守った生徒たちに先に逝かれるなんてことを彼は許さないだろうと思って、それより先に自害しそうで怖かったので。
 0組には傍で見守ってあげる大人が絶対に必要だと思うのですが、アレシア様はそんなことしないと思うんですね。アレシア様は0組を愛しているわけではないから、必要と判断した愛情を必要十分の量だけ注ぐ。そうじゃなくて、必要とか不必要のバランスはわからないけど、必要だと思う分だけ丁寧に愛を傾けてくれる大人があれくらいの年頃の子供には必要だったんだと思うんです。それにはクラサメさんしかいないのに死んでしまうから、0組も死んでしまったんだと思います。生きて帰る理由がないから。逆説的に、クラサメさんが生き残るなら生き残るんだろうと、そういう理屈で長編の最後はああいう描写になりました。
 説得力が生まれたかどうかは、ちょっと自信がないのですが、楽しんでいただけていたら嬉しいです。

□夢主について
 なんという自己中夢主ができてしまったのか。
 いや理由はちゃんとあるんです。そもそも長編を書いたのはクラサメさんが生きるルートを妄想したかったからで、クラサメさんを現世につなぎとめる必要最低限の人間がいればよかったんですね。それでまあ、なんというか、気がついたらあんなことに。なんでこんなことに。0組の三倍くらい手がかかる気がします。言い訳させていただけるのなら、たぶん私が「クラサメさんが生きるために必要なことをする人」として作ってしまったので、それ以外の遊びの部分がすっかり消えてしまったように思います。
 なんかこう、書いていて時々、「いやあこの台詞はないよいくらなんでもひどいよヤダよこんな夢主」と何度日和りそうになったかわからない。でもそこで日和った台詞書くと後で後悔するの自分でわかってるから懸命に堪えてアレな台詞を量産しました。ナギくんといるときが一番輝いてる。夢主の魅力についてよく真剣に悩んでみるのですが、けっこう言っていただくのが「正しいとか間違ってるとかじゃなく自分の信じた道を征く」的な、「これでいいんだと断言する強さがある」的なところが魅力とのことです。本当に嬉しいですありがとうございます。
 これから後日譚も書き直して適宜うpすることになるかと思いますが、そちらも自己中節をルンルンに振りまいていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。



いろいろと自信はありませんが、書ききった充足感がすごいのでもうこのためだけに書いてきたんだぜと思っております。それで読んでくれた方が少しでも楽しんでくださったらそれ以上のことはないと思います。
こんなところまでお付き合いいただき、ありがとうございました。まだいろいろ書いて参りますので、よろしくお願いいたします。



17/3/2018
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