Act.16








誰かの泣く声が聞こえた気がしていた。しかし直後、頬を何かに叩かれてマキナは意識を取り戻す。
薄暗い視界、自分を覗きこんでいたのは白い女だった。白い肌に白い髪。返却してもらったらしい白いコートに身を包み、まるで白い煙のように一瞬思った。本当ならもう少し色らしい色があるはずのそれらも、こんなに暗い中にあってはただの白にしか映らない。

「痛いところある?」

「……な、ない……です」

わけもわからずつい敬語で答えると、彼女……ナツメは無表情のまま頷き、立ち上がって距離をとった。一体何をしていたんだと思ったが、「うなされてたから」と聞いてもいないのに返答があったので、マキナの様子を見るためにあんな近距離にいたのだろうと推察はできた。
周囲を見回すと、どうやら古い小屋か何かのようだ。どこにあるのかはわからないが、白虎のあの底冷えするような寒さから解放されているような気がする。

「たぶん、多少手加減はしてくれてたんでしょう。早く治療できたのも大きかったわね」

「あれから何があったんだ?……そうだ、レムは!?」

「無事。マキナの方がずっと重傷だったんだから」

淡々と話す彼女の言葉にマキナは安堵した。そして、それから俯いて、謝罪の意を示す。

「あの……悪かった。さっき、さんざん噛み付いて……」

「ん?ああ……そうね、謝るくらいなら訳を聞かせてもらいたいかな、……いや、いいわ。なんとなく想像つく」

面倒くさそうにため息をついたその仕草が、なぜだかどくりと心臓を嫌な予感で跳ねさせた。……もしかして、もう全部知っている?
そう思って更に尋ねようとした、その瞬間であった。突然柔らかな光が視界に差した。

「マキナ……!」

外からドアを開けたのはレムで、マキナが起きていることに気づくや否や喜色満面で駆け寄ってきた。大丈夫、痛いところない?と尋ねてくるレムの横をすり抜け、ナツメは外に出て行った。それを追うように、レムと連れ立って小屋を出ると、0組の面々が焚き火を囲んでいた。外に出た瞬間、不意に何かに視られているかのような感覚に陥ってマキナは振り返る。周囲に視線をやってその気配を探ろうとするも、しかし正体は結局わからず気のせいだろうと判断した。少し気味が悪い場所だった。
マキナに気づいて、デュースがほっとしたように微笑む。それが腹立たしいような、なんだか申し訳ないような、わけのわからない気持ちになってマキナはつい目をそらした。自分でも、気持ちが処理できない。

何があったのだと尋ねれば、あの後、どうやら奇襲してきた相手と話し合ってここに逃走するのを手伝ってもらったらしい。

奇襲してきたのは、蒼龍のホシヒメという女性だった。0組が女王暗殺の犯人だと信じて、0組を独自に捜索していたのだとか。
しかし、武器も握らず話し合いの姿勢から怯まなかったデュースに何かおかしいと感じたのか、従えていた竜を引き話を聞く体勢になってくれたのだという。

「あの時は本当、怖かったよねぇ」

「デュースがな」

「もうっ、からかわないでくださいよぉ……」

話を続けるにつれ、興味深い事実が浮上した。ケイトとエイトがホテル・アルマダ前で密会する蒼龍文官と白虎兵の姿を見ていること、ナツメが諜報で得た成果である。
この二つがあわさると、一つの疑いが生まれてきた。

「……副隊長が得た成果って」

「これよ」

ぴらり、とナツメがマキナの眼前に示したのは、ところどころ血で汚れた文書であった。なんとか文字は判読できたので読んでみると、それはそれはひどいタイトルだった。

「蒼龍女王の崩御に伴う新蒼龍王の即位とクリスタルの貸与について……?朱雀による暗殺と、それによる白虎・蒼龍同盟……って、これ!」

「ちなみにこれを発見したのは、暗殺が起きた日の早朝。だから……暗殺の六時間前くらいかしら。時間までを証明はできないけれど、この短時間でこんなもの用意できるはずもないし、何よりその後に起きることを見事に言い当てるなんてできるはずないものね。即座に蒼龍王が元首に繰り上がって同盟を結んだのは彼女も知ってて、顔青くしてた」

「じゃあ、今回のことって……全部最初から……?」

「……真偽はともかくそれを説明したところ、ホシヒメさんが逃げるのを手伝ってくれたんです。ここまで運んでもらえました」

「まだミリテス領内ですけどね……。でも副隊長の言うとおり、兵士がだいぶ少ないですね」

「暑すぎるからね。……私もそろそろ辛くなってきたわ……玄武の暑さおかしい……」

頭を押さえてふらつくナツメを横目に見つつ、マキナは俯いた。わかってきたからだ。
これは、0組に振りかかるべき惨事であって、自分は……自分とレムには、一切関係のないことだと。
憎たらしくて、恨めしくて、どうしようもなかった。何より、それでも戦わなければならないと思うから困惑する。と、そんなマキナを知ってか知らずかナインが声を上げる。

「オイてめぇ大丈夫かよ?シャキッとしろよコラァ」

「……そうやって」

頭痛がした。道はひとつしかないのに、その道を選ぶ理由と選びたくない理由が混在しているこの状況。
反吐が出る。

「そうやって、上から偉そうに言うのはやめろ……!」

「……あぁ?」

「ちょっとアンタ!ここまで誰が背負ってやったと思ってんのよ!!」

「はっ……、オレのことは助けてくれるんだな。兄さんを殺したくせに!」

ケイトのぶつけるような声音に、ついマキナは本音をぶつけた。
結局、気に食わないのはそこなのだ。仲間じゃないと思いたいのに、向こうはそうじゃないから。

「兄さん?兄さんって……」

「マキナ!」

不意に刺さるような鋭さでナツメがマキナの名を呼んだ。そちらを見れば、彼女は眉をひそめマキナを見つめていた。それで確信を得る。
彼女は知っているのだ。マキナの絶望の理由を、知っている。

「0組が、オレの兄さんを殺したんだ!オマエらがいなければ兄さんは戦場を走り回る必要はなくて、死ぬこともなかったんだ……!」

わかっている。0組がいなければ、兄だけでなく自分もレムも死んでいたかもしれないと。恨むのはお門違いなのかもしれないと、思っている。
でも止まらない。沸騰しそうな苦しみが、マキナを苛んで仕方ない。

「オマエらにとっては名も無きただの兵士だったかもしれないが……でも、オレには、たったひとりの……!」

「……そう思いたいんなら、そう思えばいい。でもどんなに僕たちを恨んだって、イザナは戻ってこない」

エースの言葉を理解する前に、ぞわりと背筋を悪寒が舐めた。肌が粟立つような、嫌悪。意味はあとからついてきた。

「……何で兄さんの名前を知ってるんだ?」

何でエースが。どうして。ただの一兵卒に過ぎなかった兄の名を。
……そういえばチョコボ牧場に幻の0組が現れるという噂が数ヶ月前からあって、兄はチョコボの面倒を見るのが好きだったらしくて、エースはチョコボ好きで、兄の仕事は0組と軍部の伝令だったらしくて、それなら0組とそもそも知り合いでなくてはならなくて。
マキナの思考は一瞬で混濁し、混乱を極めた。出口のわからない思考回路が、ぶつ切りにされながらも続いてくような。
なら。でも。どうしたら?

「そこまでにしなさい。……マキナ、辛い気持ちは理解できますが、私達は今とても大変な状況に直面しているのです」

「大変な状況?」

レムが聞き返すと、苦虫を噛み潰したような顔でキングが「朱雀と連絡がつかない」とだけ端的に述べた。デュースが言うには、いくら呼びかけても応答がないのだという。

「えっ……でも、どうして?院長もクラサメ隊長も、もうとっくに朱雀に着いてておかしくない時間だよね?」

「ええ。でもどうしてか連絡できないの。……私一人なら“処分”で済むけど、あなたたちまでもをこんなふうに捨てるはずないし……」

「副隊長、さらっと怖いことを言わないでください。……ともかく、わかりましたか?わたくしたちには過去を振り返っている余裕なんて無いんです」

クイーンが眼鏡を指先で押し上げ、ため息をついた。その仕草が、やけに鼻につく。エースが悟ったような顔をするのも、マキナにとっては、もう。

「過去は切り捨てて前に進むしかないんだ。だから僕達は忘れるんだ、死者のことを……」

「うるさい!!そうやってオマエらは兄さんを切り捨てたんだ!」

「……まるで、子供の駄々ですね。悲劇のヒーローでいたいのなら、一人ミリテスに残って存分に演じてください!」

ため息まじりに、まるで子供を叱るようにクイーンが言った。
その口ぶりに、ぞっとした。そして同時に思い知った。

彼らの中では、他人が死ぬことなんて極限までに“どうだっていいこと”なのだと。
マキナが死んだってレムが死んだって、一瞬顔を顰められるだけ。ただ、それだけなのだと。

化け物じみていた。そんな世界を、マキナは想像したことがなかった。激昴するまま、マキナは怒鳴る。

「アンタに何がわかる!!」

「マキナっ……!もうやめよ?今は少し休んで……」

叫んだマキナの腕を掴んだ、レムの手が震えているのを感じた。それがマキナを急速に現実に引き戻す。
マキナはどうしていいかわからなくなり、かといって自分が悪いとも思えず、彼らの顔を見ていたくないと思った。そうなると、もうこの場にはいられない。
踵を返すマキナをレムが慌てて止めようとしたが、この場に留まるくらいならいっそ白虎兵に捕まったほうがマシだとさえ思えた。だから、周囲を見てくるだけだと言ってレムをそっと振り切った。

そうして振り返ることもなく、マキナは深い森に分け入る。
なんだかひどく疲れていた。もう何も考えたくなかった。







「……うーん」

自分がまるで関係ないということはわかっていたので、白いコートが汚れることなど構いもせずにひんやりとした日陰に腰をおろしほとんど沈黙していたナツメは首を横に捻った。なんというか、どうしようもないな。全体的に。
さて、どうしたものだろうか。放っておく以外の選択肢を取るつもりはいまのところ無いのだが、少しばかりそれが憚られるとも思う。……今放っておくのはよくない。
何より、過去の自分を見ているようで怖い。同じようなことに、なってしまいそうだ。

「何なのよ……あんなに怒ることないじゃない」

聞こえた声の主を目で追えば、クイーンが顔を顰めて唇を尖らせ、キングに諌められていた。クイーンは間違ったことなど何も言っていないから、問題はない。
……ないのだけれども、正しいことが良いわけでもないから困るのだ。

「まぁ、こういうこともあるかぁ……」

ナツメはため息とともに立ち上がり、ナツメが襤褸にしてしまったマントをしきりに気にしているエースの横を通ってマキナの出て行った後を追いかける。今更ながらに経費で落ちるかが不安になってきた。余裕が出てきた証拠だな、とこれまた余裕なことを考える。
と、レムが驚いたように「副隊長?どこに行くんですか」と声をかけてきた。彼女もかなり重傷で、治療はしたけれど持病のこともあり少し不安だった。それでも思ったよりずっと早く、そしてよく回復してくれた。

「マキナにちょっと用ができて」

「用?……えっと、私も一緒に行ってもいいですか?」

「……んー」

おそらくレムも追いたかったのだと思う。が、マキナが一人になりたそうだったからとか、そういう考えで遠慮したのだ。でもナツメが後を追うというなら、レムだけ我慢する理由もないと。
しかし、マキナは多分一人になりたかったのではない。0組と、レムの顔を見ていられなくなっただけだ。よくわかる。

「多分、今レムに追いかけられたら立つ瀬がないんじゃないのかな……」

「……何で副隊長ならいいんですか」

「そりゃー、第三者で生きようが死のうがどうでもいいくらいの赤の他人だからでしょうに。それに、別に励ましたいとかそういうんじゃないから。純粋に伝えておこうと思ったことをさっき言えなかっただけ」

少しむくれたレムに苦笑を返しつつ、あくまで他人であることを強調する。二人の仲を邪魔する気など、一欠片もありはしない。
マキナに話したいことというのは、軍令部長についてだ。小屋の中で言っておけば先ほどの口論も少し違ったのだろうと思うが、間に合わなかった。レムもいる前で言うのは憚られたのだ。おそらくマキナはレムに何も話していないだろうと思ったが、正解だった。内心で苦笑する。
ナツメにはそれがよくわかる。ナツメも、何も言わないから。本当に大事な人には、何も言えないものだから。

「ま、ちょっとしたアフターサービスよ。すぐ戻る」

ひらひら0組に手を振って、ナツメは暗い深夜の森をすたすた歩いてマキナを探す。まだ近くにいるはずだが、どこだろうか。仮にも候補生が、いかに錯乱状態でも適当に歩くはずがない。獣道でも道とわかるところはあるから、そういう場所を選んで歩いているはずだ。
その予想は当たっていたようで、数分後にはマキナの大きな朱いマントが見えた。「マキナ」声をかけると、マキナは弾かれたように振り返る。

「何をそんなにビクビクしてるの?」

「いや……さっきから、見られてるような気がしてて。……アンタ、何の用だよ」

「うん?私に調べ物を頼んでたのはマキナじゃない。その報告がまだだったから」

そう言って薄く微笑むと、マキナは訝しむような顔をしてみせた。その顔から、報告なんていらないという態度を理解する。そう、もう報告はいらないはずだった。

「アンタ……調べてくれたんだな。やっぱり」

「もちろん。調べてみれば、案外簡単に割れたわ」

「……何ですぐ教えてくれなかったんだ?」

「直後に潜入任務なんて作戦が控えているところに、身内の訃報の詳細なんて伝えるべきじゃないと判断したからよ。まぁ、物理的に不可能だったけどね。完全に調べがついた頃には、あなたたち魔導院を出発していたんだもの」

ナツメは肩を竦めた。確信が持てたときにはもう0組の出発間近で、ぎりぎりで彼に会えなかった。それに、ナツメ自身にも仕事があった。
けれど今思えば、無理をおしてでも伝えておくべきだったのだろうと思う。一度芽生えた不信を消すのはとても難しい。

「でも……もう報告はいらないでしょう。だから報告より、忠告にするわ」

「……え?」

「軍令部長でしょう、あなたにお兄さんのことを教えたの。院長にくっついてきたあの男に聞かされたのね。……ねぇ、いいことを教えてあげましょうか?」

軍令部長は嘘をつかない。大抵は真実を話している。が、それが望む通りの、自分の知りたい真実の全貌だなどと甘えたことを考えるべきではない。そんなのは愚か者のすることだ
ナツメは、かつてそういう愚か者だった。死んでもいいからと代わりに望んだことがあって、どうしても知りたいこともあって、そのために軍令部長の言いなりになった。
が、軍令部長は約束を破ったし、知りたいことにはまだ手が届かない。

あの男は嘘はつかなかった。確かに、望みがまるで叶わないわけではなかった。暫くの間は望んだ通りになっていたし、渇望する秘密にだっていつか手が届くのだろう。それまでの間、ナツメが生きていられるかどうかは別問題で。

「……私みたいな端くれでもね、あの程度の男一人殺すのに許可はとらないわ。気まぐれに、邪魔だなぁと思えば殺す。そうしないのは、今は代わりが簡単には見つからないからと……あと、あれはあれで四課にとっては御しやすいから」

四課の、特に内務調査部が大抵の場合うまく転がしている。言わずもがな、ナギである。
だから、ナギがうまいこと操っている間は、とりあえずは生きていてもいいかと考えていた。だが、こんなことが続くなら早いうちにやって
おくべきかもしれないなと考えを改める。

「その程度の男に左右されてはダメよ。第一、何でこのタイミングであなたに伝えるの?あなたのことを思うなら、タイミングがおかしすぎるわ。朱雀に戻ってからでもよかったはずよ。あなたに伝えたときにはまだ停戦中でこんな面倒にまきこまれる予定じゃなかったんだから、伝えそびれる心配もないしね。無事に帰ってから伝えればいい。孤立無援の白虎の中枢で、レム以外に0組外の友人がいないような状況で知らされたら、あなたは0組に対して敵意を貯めこむしかなくなる。だってレムにはそんなこと、相談できるはずないもんね?軍令部長の望みはそもそも0組を見張ることじゃない。あなたたち二人を手榴弾みたいに投げ込んででも、0組をドクターごと抹殺することよ。こんな戦時のまっただ中でも、それでいいほうに向かうと思ってるのね」

「……」

「ね?あの程度のクズに左右されちゃだめよ。人生なんて簡単に狂うんだから。……自分で選んでることは忘れないでね、どんな結果になったとしても。レムを守りたいんでしょう?」

なんとなく。
マキナの行動原理には、気づいていた。レムに対してだけ、マキナは距離が近い。いつも彼女を最初に気遣うのはマキナだった。最後の幼馴染。よくわかる。
最後の誰かは、失えない。代わりに誰が死んだとしても。

「……レムはオレが守る。なぁ、副隊長」

「ん?」

「レムの病気、悪いのか?」

ああ、気づいていたんだな。ナツメは細く息を吐いた。
当然か。あんなに噎せていて、喘息だなんて。まして運動していない時にも咳き込んでいたら、近くにいる人間に隠し通せるはずがない。

「……そればかりは、義務があるから言えないわね」

「それが答えみたいなもんじゃないか」

「答えてないから問題ないわ。……ねぇ、マキナ。レムも同じなのよ。あなたがレムに何も言えなかったのと同じで、レムもあなたに言えないの。だからこれについては……」

「わかってる。……どのみち、オレにできることはない。オレにできるのは、戦場であいつを守ることだけだ」

マキナは拳を握りしめていた。ぶるぶると震える手をぼんやりと眺めつつ、言うべきことはすべて伝えたなと内心首肯する。まぁこれだけ言ってダメなら己にできることもないなという判断でもあり。
軍令部長が言ったことは、紛れも無く真実なのだから。ただ、伝え方に悪意が篭められていただけで。

ひとつ息を吐いて、さてどうしようかと考える。今無理に連れて戻ってもいいが、頭を冷やす時間があったほうがいいだろう。

「落ち着いたら戻ってきなさいね。敵には注意して」

「……あいつらのところには戻りたくない。化け物みたいだ……あいつら」

その言葉に、ナツメはつい吹き出してしまう。何を言っているんだか、この子は。

「本当に化け物だと思ってるなら、あなたがレムをそんな中に一人残して置いてこられたはずないじゃない。マキナはなんだかんだ、それなりにあの子達を信用してるのよ。守れないことがあったとしても、それでも最後まで必死に守ろうとはするんだって」

マキナは鳩が豆鉄砲を食ったような顔で押し黙った。気づいていなかったらしい。


もう一度吹き出しそうになりながら、ナツメは踵を返した。

そしてこの時、マキナを無理にでも連れて帰らなかったことを、後々後悔することとなる。








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