Act.10







そうして、深夜。もうすぐ夜が明ける、一番暗い時間帯。ナツメはそんな暗さだというのに物々しく街を見まわる兵士たちから身を隠し、目当ての家に入り込んだ。先ほどホテルで殺した、あの男の自宅であった。
いつもは、任務の標的についてナギかだれかが教えてくれるものだが、今回はそれがなかったので、なんとなく気になったのだ。どうしてこいつを殺せという指令が出たのか。別になんだっていいのだが。なんせもう殺した相手なので、思い出せないのだからくだらない理由だったとしても別段構わない。
だから、結局そんなのは名目で、半分略奪目当てである。さっき500ギル捨てたせいで、財布が軽く心許ないので。

「白虎で捨て、白虎で奪う。まさに永久機関の完成だわねぇ」

金を直接盗んでもいいのだが、一番いいのは宝石やら装身具の類だろう。なにせ軽いし。次点で情報である。とにかく金が必要だ。それというのも。

「だって帰れないしねぇ……」

たかが500ギルだが、それでも朱雀に帰還するまでの旅費の半分は消えてしまった。どうしても死体から回収する気にはなれなかったから、こうするしかなかった。言い訳である。
金目のものを見つけるたび良心らしきものが咎めるのは、朱雀での生活がそれだけ幸せだったからだろうか。ふと思う。昔だったなら、躊躇いなく家人まで皆殺しにしていたところだった。今は、それができない。そこまでは、簡単には手が伸びない。

通りがかった一番上等な木製のドアを押し開ける。中は書斎だった。おそらく、数時間前に殺した標的の仕事部屋だろう。よく覚えちゃいないが。軍の重役だということだけは聞いていたから、それなりに情報は握っているはずだ。ナツメは足音を殺しながら、机にかじりつき順々にひきだしをあさった。
あの男の正体がだいたいわかってきた。軍事顧問の私的秘書の一人らしい。そこそこの大物である。軍事顧問なんて何人もいるし、更にその秘書となればかなりの人数がいるので、あくまで“そこそこ”ではあるが。

書類を大雑把に捲っては、ハズレの烙印を押しひきだしを閉じる。全てのひきだしで手早くそれを繰り返した。そして最後のひきだしを引こうとして、途中で止まってしまって、口角が上がる。簡単に空くひきだしがハズレなのは当たり前だ。
アボイド魔法を針金のようにして鍵穴に差し込んだ。アボイド魔法は、ものに当たると跳ね返る。指で塞いで、中で乱反射させ、ゆっくり構造を把握していく。それに合致するように、ウォール魔法で鍵穴を埋めていく。回った鍵穴からがちり、と音が鳴るのを聞いて、深いひきだしを引いた。
中身に期待しながら開いて、一瞬がっかりした。中には書類がたったの数枚だけ。

「なにこれ……?」

怪訝に思いながらそれを拾い上げて、中身に視線を滑らせる。淡々と続く素っ気ない文字列を追って、一文字に引き結ばれていた唇がどんどん震えていくのが自分でもわかる。
これは。

「蒼龍女王の崩御と、蒼龍王の即位?でも……女王はまだ、生きてるのに……」

だってこんなに鮮明に、記憶に残ってる。先ほど仕事を邪魔されて覚えたいらだちも、それなのに、これは、?

ナツメは背筋が粟立つのを感じた。自分が今何を見ているのかに気づいてしまったからだ。
一番上に記載されているタイトルは、『蒼龍女王の崩御に伴う新蒼龍王の即位とクリスタルの貸与について』。裏返せば、『蒼龍女王を殺して蒼龍のクリスタルを手に入れる』ということだ。

これは蒼龍女王の暗殺計画。ナツメは今、歴史のターニングポイントに立っている。
震える手で、ページをめくる。更にひどい文言が、続いていた。

「っくふ、ぐ……!」

とうとう息が苦しくなって、膝をつく。そこに書かれていたのはもっとずっとひどい言葉。黒いインクが渦巻いているようにさえ見えた。

「朱雀による暗殺と、それによる白虎・蒼龍同盟……!!」

既定路線が、見えてしまった。決められた道筋。今回の一件は、おそらく大掛かりな罠である。

暗殺の容疑を誰になすりつけるつもりかはわからない。が、ともかく、朱雀の人間のしわざに書き換えて戦争の構図を一気にひっくり返すつもりなのだ。
ナツメは嘔吐感を覚えて慌てて口元を抑えた。こんなものには関われない。関わるべきじゃない。自分程度のスパイが巻き込まれていい問題じゃない。
そもそもどうにかできる問題だとすら思えない。危険すぎる。消されてしまう。それに、伝える相手だって。……自分なんかの話を聞いてくれる奴なんて。

「……」

わかっている。身の程なら、痛いほど。
ここにはナギがいない。無理できるはずが、ない。

「……、……」

自分なんかが。……ナツメなんかが。
わかっていた。わかっていた。何度も教えこまれた絶望を今も懐古する。だって、五年前だって誰も聞いてくれなかったじゃないか。誰も信じてくれなかったのに。

わかっていた、はずだった。


ナツメは窓をこじ開けて、飛び降りる。夜明けの朝日が視界の端でちらついていた。兵士があちこちにいる、地上は走れない。地下に潜るのが早い。一番近い入り口に向かいながら、必死に考える。
停戦の会談をするのはどこだろう。ここはイングラムの西端、住宅街だ。可能性が高いのは東側に多くある軍関係の、見栄えがする建物か。……そんなのいくらでもある。特定が難しい。

とりあえず、走ってみるしかない。

朱雀を守りたいなんて、思ってもないことは言わない。朱雀がどうなるかは、自分には関係のないことだ。むしろ、あの国で生まれてもいない自分が言っていいことでもないだろう。
けれど朱雀が危険になるということは、“彼ら”が危険になるということだ。ナツメでも大切にできるもの。ナツメが自分を切り売りしてでも守りたい人が。
ナツメはそれを、許さない。

息が切れる。候補生としての日々はとっくに過去で、体力は当然落ちている。間に合うかなんて考えるのも億劫だし、前に進む速度がやたらと遅い気がしていた。
遅い。自分はいつだって遅い。いつもいつも、届かない。ナツメは己の不甲斐なさを何より憎む。五年前の真実にも、かけらも手が届かない。全て遅すぎたからだった。
わかっているのだ。

ナツメは、それでも東へ走り続けた。
彼らを守りたい、ただひとつの思いのための疾走だった。








地下からアタリをつけた建物に侵入すること数回。女王がいるかどうかはすぐにわかる、他国の要人がいれば警備態勢はまるきり変わるはずだからだ。
今のところ、そこまでの変化をしている場所はない。ナツメは切れた息を取り戻すついでで、地下道の壁に背を押し付け地図を広げていた。

「(シドニアの記念館は違った。暗殺するなら、もっとパブリックな……白虎政府の責任が問われない場所?……だから、それはどこよっての)」

なんせ、条約の調印だ。それならどうしたって政府の関係がある場所になる。
それでいて、政府とは直接のつながりが目に見えない場所。

「(……いや、待った。考え方が違ってやいないか)」

パブリックな場所。それは間違いない。
でもそういう場所では、どうしたって人の目がある。ただの暗殺ならともかく、今回白虎はその暗殺を朱雀のせいにしなければならない。目撃者がいては駄目だ。
人の目につきにくいのは、個室が多い場所。女王を隠すことも、殺すことも出来る場所。
たとえば、昨日ナツメが暗殺場所に選んだホテルのような。

「……あああああー、」

なんでもっと早く気づかない!!
ナツメは己の阿呆さにがっくり肩を落としたあとで、もう一度走り始める。ホテル・アルマダ。もともと政府の建物で、現在は軍長官の天下り先だ。表立っては関係も見えず、政府関係の建物からは少し距離があり、根本的に政府の言いなり。あんなにいい暗殺場所があろうか。じゃなきゃ自分だって選ばなかった。

幸いホテルはすぐ近くだ。ナツメは走って、ホテルの路地裏に出るための出口を探した。地下道だけはすべて頭に入っている。ホテルに直通する道もあるが、登るのは難しいし出る場所があまりよくない。裏道から入ったほうがいいだろう。
すぐに出口へ続く梯子を見つけ、手をかけ登った。入り口をそっと押し開くと、兵士の背中がひとつ目に入った。

「(ええい、一か八かだわもう!)」

身体をねじって滑るように外に飛び出し、こちらに気づいた兵士が声を上げる前にその首に縋りつく。そしてそのまま、ナツメは自分の身体を回すのと一緒に首をねじ曲げた。

「ぅぐふッ!?」

潰れる悲鳴とともに崩れ落ち、首を襲う激痛から逃れようと身を捩るその兵士をひっつかみ、引きずってナツメ自身が出てきた地下道の入り口へ連れて行く。そして頭が下を向くようにして落とした。
トドメに銃弾を一発。入り口を半分閉めながら撃つことで、できるだけ音を殺した。いくらサイレンサーがあったって、銃声は簡単には消せないから困ってしまう。

ホテルの正面入り口から中へ入り込む。先ほどの腹立つホテルマンはおらず、代わりに多くの白虎兵がいた。

「(やっぱり、ここだ……)」

昨日の時点では女王の来訪がまだ決定していなかったから、兵なんていなかったのが、今日はこの有り様。女王がいるのはここで間違いない。
ナツメはしれっとした顔でエントランスを抜けると階段に向かう。エレベーターは危険なので使わない。

さてどうする。
女王に会えるような立場ではないし、無理を通せば殺されるだろうし、その後で身分がバレたら更にまずいし。
忍び込む?……しかし、おそらく女王がいるのはスイートだとか、普通の客が万が一にも紛れ込まない階層だろう。入り込むのは絶望的だ。

そんなことを考えながら、登る途中。
踊り場で、駆け下りてくるあのホテルマンとかち合った。

違和感を覚えたのは一瞬だった。それはほんの僅かな隙に過ぎず、しかし明らかな過誤であった。ナツメからは見えない角度で、しっかり捻りまで入ったナイフが下から襲う。ナツメの目は的確にその角度を理解する。信じられないほど巧みに骨を避け、肋の間を縫って心臓に入り込もうとする鈍色の輝き。
とっさの刹那、ナツメはかろうじて身体をひねった。目的からは逸れた切っ先が心臓より下、腹部目掛けて突き立てられる。コートの硬い生地を分け入って、貫かれる感覚。

「(即死でさえなければ――ッ)」

数秒。
ナツメに必要なのは魔法を唱える時間だけ。そして、それより更に時間が得られるのなら、この暗殺者を葬れれば僥倖だ。
クラッチバッグを取り落としながら、中から引き抜く拳銃。一瞬の隙も与えず、ただ撃つ。当然狙いを定める暇なんてなくて、この距離だからかろうじて当たったようなものだった。男は後ろ向きに転びかけ、足を滑らせナツメの足元に転がった。

「ッづ、う……」

「は、はぁ、っふ……何なのよ……」

男が撃ちぬかれたのは太腿。ナツメからしたら、敵の真正面だというのにそんなことで蹲る神経がわからない。
ナツメは血が溢れだす腹部に手をやり、一気に引き抜いた。地面に転がるてらてらとした血の赤が光を反射している。ナツメはすさまじい勢いで噴き出す血を止めるため手で傷を抑えると、ケアル魔法を唱えた。じわじわと傷が塞がる。
中のドレスだけでなくコートまでもが血を吸い出し、この服はもう捨てるしかないと舌打ち紛れに男を蹴ってその身体を上向けた。突然襲いかかってくるというのは、いくらなんでも想定外だった。
こいつは誰だ。胸元に手を差し入れそこにあった財布を抜き取る。身分証は確かにホテルの社員証だったが、真新しい。最近入った人間である。思えば、仮にも白虎首都の高級ホテルで客をじろじろと見るホテルマンなんているはずがないのだ。
つまり。

「あんた、政府の人間か……ッ」

専門の諜報員ではないだろう。それにしてはいろいろとお粗末すぎる。おそらく政府が今日のために送り込んだ人間だ。
もう聞くこともない。どうせしゃべりはしないだろうし、拷問するには場所が最悪。だからナツメはもう一度、“銃弾の無駄遣い”をする。

階段というものは音の反響しすぎて困る。ナツメはもうよく思い出せない男の死体を蹴り飛ばし、階段を駆け上がっていく。消耗した魔力は少しずつしか回復しない。朱雀クリスタルから遠いからか、それとも朱雀クリスタルの眷属ではないからか。
結果さえわかっていれば、理由はどうだっていい。

いつの間にか階段は終わりに差し掛かっていた。このホテルの高さを考えたらまだ早すぎる、おそらく要人用スイートに直通で入れないよう造りがアレンジされているのだろう。
走りこむようにしてその階に足を踏み入れると、反対側の廊下から歩いてくる数名の兵士に出会ってしまう。

「おい!あいつを捕まえろ!!あの女が、目撃情報にあった痣の女だ!!」

銃声でも聞きつけたのか、上から白虎の兵が現れる。向けられる散弾銃はばらつきが多く、こんな大して広くもない廊下なんかでは絶対に避けられない。
しまったと思い、ナツメはとっさにウォール魔法を張る。しかしそれで正体は知れてしまった。

「朱雀人だ!!」

「おのれスパイめ……!」

さらに、“しまった”ということにはすぐ気づく。やってしまった。朱雀の人間だとバレてしまったら、朱雀が諜報員を飛ばしていることもこんな場所にまで入り込んでいることも、何もかもがあけすけになる。
どうしよう。どうすべきだ。このまま押し通すか、それとも退くべきか?

「……なにバカなこと考えてんのよっ」

ナツメは脳内で、二つきりの選択肢を笑い飛ばした。今更退くなら来ないほうがずっとマシだった。選択肢なんて、もう存在しない。
バチバチと火花を散らす雷撃。本当は雷なんて一番苦手なのに、一番使い勝手がいい。威力が暴発することも、コントロールを逃れることもない。代わりに、戦況をひっくり返すことは絶対に無いが……それでも頼りがいはある。

とりあえず押す。少しずつでも、たかが銃ではこの至近距離、魔法の威力に敵わない。白虎の戦闘スーツは炎にも氷にも、もちろん雷にも耐性を持つが、それでも中にいるのは生身の人間だ。息をして汗をかき戦闘をする以上、完全防備とはいかない。白虎兵たちは、この狭い廊下で、たったひとりの血塗れの女に追い詰められていく。
そして最後に仕上げ。

「サンダガ!!」

雷の最上位魔法が、彼らの身体を後ろに向かって吹き飛ばす。壁に折り重なって激突し、感電したのか動かなくなる。
山となった白虎兵の塊を置いて、ナツメは上へ向かうため次の階段を探す。
途中で、骨に響くみたいに強烈な銃声が視界を揺らした。

一瞬、自分が撃たれたのかと錯覚する。しかし痛みはどこにもなく、代わりに不思議な感覚を味わった。
喉の奥が冷える。微かな目眩。

「……」

なんだろう。一体何がどうなっているんだろう。

「……?」

自分は、どうしてここにいるのだろう。確か、蒼龍女王が暗殺……だとか、なんとか……。
ナツメは困惑する。そして気づく。この感覚は、間違いなく……女王が殺された。

貧血気味の脳が揺れる。感じるのは己へのとめどなき失望。
この世界では、死んでしまったら……なぜ暗殺を止めるためにこんなに必死だったかさえ、うっすらとしか理解できないのだ。それが何より悔しく、とても怖い。一体なんで自分は、こんなにも消耗するほど疲弊しているのか。ナツメの身体は疲労を色濃く感じている。全力疾走で相当な距離を走り、階段を駆け上り、刺されながらも殺し、銃弾を防ぎながら兵士を数名サンダガで吹き飛ばした。貧血のような気もするし、魔力の戻りが悪くていらだちもあった。
だというのに。

「あいつだ!」

「暗殺者だ、殺せ!」

「……げっ」

突然廊下の先でドアが開いたかと思うと、そこから出てきた兵士がほか数名に合図しながら銃をこちらへ向けてくる。逃げようとウォール魔法を使いながら無様に背を向け階段へ走った。そこで気づく。この階層は、あの階だった。先ほど暗殺した階。そして、兵士たちが飛び出してきたのも、暗殺をしたあの部屋だ。

「(あああああ……!)」

なんて最悪なタイミング。あの部屋の中には、もちろんあの男の死体があったはずだ。チェックアウトの時間を過ぎても客が出てこなければ、当然ホテルの人間が押し入って死体は見つかる。そして当然騒ぎになるが、やはり当然このホテルには白虎兵がうじゃうじゃいる。と、当然暗殺の邪魔になるような死体は兵士が片付けるしかないというわけだ。

「当然、当然、当然ッ……素人か私は!」

自分の思考にまで苛立ち始めたら、それは危険の合図である。自分さえコントロールできない人間にできることなど何もない。
息をついて、走りながら少しずつ感情をシフトさせていく。ええと、つまり、すでに捜索され始めているわけだ……。“痣の女”、最初に遭遇した兵士たちにそう呼ばれたのはあのホテルマンもどきのせいか。ナツメは飛び降りるように、階段を下っていった。
兵士たちよりはずっと身軽なのが幸いした。ぐんぐん距離を引き離していく。階段の最後の段を蹴りぬいて越えた先、白い兵士が入り口に詰めているのが何人も見えた。あそこを通るのは不可能だとすぐさま判断し、ナツメは血塗れのコートを翻す。

ナツメは、自分がどこか一点だけでも他人から優れている点があるとするならば、それは決断の早さだろうと思っている。絶対に躊躇しない。どんなに運命を揺らす選択でも、ナツメは迷わない。

厨房を走りぬけ、目指すのはやはり地下だ。外へ出て、地下へ。
ナツメは厨房奥の倉庫から地下の食材庫へ向かう。こんな場所はたぶん、四課しか知らない。白虎の人間だってほとんど知らないに違いない。ナツメはもう使われていない古いダストシュートに身体を滑りこませた。
ここから地下道へは遠すぎる。ナツメは必死に両手を突っ張って、必死に留まる。最後まで突き抜けてしまったら、まちがいなく“即死”だ。それだけ避ければ、あとはもうどうとでも。

途中何度も全身を擦りむいて、最後の一瞬。なんとか、ダストの最後の縁を掴んだ。

「……っふ、ふふふ、やった……」

半分賭けだった。失敗したら死ぬ、そういう状況は何度くぐり抜けても慣れるということがない。心臓が早鐘を打ち、嫌な汗がどっと噴き出していた。
それでも、遠い地面に向かうため手を離す。

「っぐううう……!!」

足を襲うのは当然激痛だ。三階の窓から飛び降りるような高さだったから仕方ないとはいえ、当然のように足が折れている。

「まずは足の治療からか……」

ナツメは強がるみたいに息を吐いて地下道の先を見つめた。
続く闇は暗く凝った、水の底のような静けさだった。








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