交錯する彼らの罪状






瞳は視ていた。
恙無く全てが成るのを、ただ視ていた。

「これは未来?過去?」

そのどちらか。いや、あるいはいずれでもないのか。何にせよ、もう彼女には関係のないことだ。
彼女はゆっくりと瞼を閉じる。そうして緑の眼が覆われてしまうと、空気中に交じり存在し続ける無数の己に気が付いた。

「……いいえ。あなたも、誰も彼も、私じゃない。それでも全ては同一に、ここに在る」

瞳は視ていた。
物語がひとつの転機を迎えるのを、ただじっと“視”つめていた。







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