雷(ポルナレフ)

ポルナレフが風呂に入っている時、いきなり電気が落ちた。スタンド使いが現れたのだろうか、急いでバスルームから飛び出すとしんと静まりかえっていた。外を見るとひどい雷雨だ。DIOの刺客ではなかったことにほっと一息つく。

部屋が薄暗いため同室の人物の姿が探せない。他の部屋に遊びに行ったのだろうかと考えていたときだった。雷によってベッドの上が少し盛り上がってうりのが目に入った。

寝ているのか。このまま寝かせておきたいところだが久しぶりにホテルに泊まれることを
喜んでいた名前のことだ。きっと風呂にも落ち着いて入りたいだろうと考え、名前の布団をはぎ取った。

「名前、風呂開いたぞ……って起きてたのか」
「……ああ」

名前はのろのろとバスルームに向かっているところだった。一瞬外が明るく照らされバリバリという音が響く。

「っ、」

名前は思わず息をひそめ動きを止めた。

「もしかして雷が怖いのか?」
「……いや。驚いただけだ」

精一杯虚勢を張ってみたがポルナレフにはお見通しだった。

「名前、手を出してくれないか」

ベッドに座るポルナレフに言われるがままに手を出すと、次の瞬間手を強く引寄せる。いつの間にか名前の頭はポルナレフの胸に押し付けられ、腰には手をまわされ抱きしめられる。

ポルナレフの体温と伝わってくる心臓の鼓動に心が落ち着く。子供の頃もこうしてもらったことを思い出しながら雷が落ち着くまで抱きしめられていた。


bkm