私は困惑していた。それは名前が抱きついていたためである。もちろん思いを寄せている人にそういうことをされるのは嬉しい。しかし彼女の顔はほんのり紅く染まり目が潤んでいる。彼女は酒のせいでこうなっているのだった。
「名前、離れなさい」
「嫌です〜」
名前はますます手に力を込めてくっついてくる。触れている身体の柔らかさを感じこのまま押し倒してしまいたい衝動に駆られるがぐっと抑える。
「そろそろ寝ないと明日に響くぞ」
「アヴドゥルさんが一緒に寝てくれるならもう寝ます」
「っ、」
ニコニコ笑う彼女を見てこれは寝れそうにないと思った。