「お前は何をしてるんだ」
「だって暑いんですもん。先生の家でも全室クーラー付いてないんですね」
私はあまりの暑さに先生の家の床に寝転がっていた。素肌に触れる冷たい感触が心地いい。
「当たり前だろ」
「あ〜暑い〜……」
私は床をゴロゴロと転がる。先生は呆れた顔をして立ち去る。まだ仕事が残っているのだろう。天井を見上げていると、先生が私の顔を覗きこんでいる。
「先生?」
「ほら、」
顔に冷たいものが降ってくる。
「つめたっ!」
手にとって上に翳すとアイスキャンディーだった。
「それでも食べて待ってろ」
「私は子供ですか!」
「ははっ、仕事が終わったら構ってやるよ。だから、いいこにしてろよ」
私の前髪をさらりと撫でて仕事部屋に入っていく。私は顔を紅くしながら無言でアイスを口に含んだ。