※微裏
「露伴先生お疲れさまです。コーヒー飲みます?」
「……ああ」
露伴先生はいつも通り飲み物を受け取って飲む。睡眠薬が入っているとも知らずに。しばらくすると瞼がおりてくる。
「名前……」
「露伴先生、おやすみなさい」
先生の瞼が閉じられる。私は口角を上げながら先生を椅子に座らせる。肘掛けに手をそれぞれ縛りつけ、目は目隠しで覆う。
「ん……名前?」
しばらくして露伴先生が起きたらしい。手を動かそうとして縛られているのに気がついた。
「何だこれは?」
私は何も答えずに露伴先生に近付く。服の釦を全て外し、前をはだけさせる。すると露伴先生の白い肌が露になる。程よく筋肉がついている以外は、まるで女性の肌のようだ。腹筋の割れ目を指でなぞる。
「っん……」
露伴先生からいつもの強気な声とは正反対の控え目な声が漏れる。別に我慢する必要はないのに。それでも肌に触れることは止めず、何度も身体を行ったり来たりする。たまに首を舐めるとびくりと身体を跳ねさせた。普段私がされていることを抵抗できない状態の露伴先生に自分が好き勝手していると思うとゾクゾクする。
「もう、いいだろ……」
弱々しく吐かれる言葉に私はますます嗜虐心がそそられる。再び身体に触れると興奮からか羞恥からかわからないがさっきより熱くなっていた。息も荒くなっている。声を出さまいとして唇を噛み締める姿も色っぽい。今度は露伴先生の顔に触れる。頬の柔らかな感触を楽しみながら、私の顔は露伴先生の耳へと移動する。耳に軽く息を吹きかける露伴先生の耳が朱に染まる。人には同じことをするくせに、自分がされることには慣れていないのだ。露伴先生の反応は無視してそのまま耳を口に含んだ。
「名前っ、やめ、ろ……」
うわずった声で私に懇願する。しかし私は何も答えない。これはいつもの仕返しなのだ、これくらいじゃ止めてあげない。私の行動は段々とエスカレートし耳を軽く食む。露伴先生が堪えきれずに身体を動かし、椅子の軋む音がした。
「名前、頼む……」
露伴先生が私にお願いしている姿なんて滅多に見れない。私は満足して、先生の目隠しを取った。すると涙目で私を睨んでいる。
「早く拘束を解いてくれ」
いつもの露伴先生の口調に戻っていた。
「はいはい」
私は言われた通りに露伴先生の拘束を外した。次の瞬間、私は床に仰向けに倒れていた。目眩を起こしたのかと思ったが、違う。私の腹の上に露伴先生が乗っているのだ。露伴先生はよくもやってくれたな、というような表情で私を見ていた。露伴先生の顔が首筋に埋められ、私は目を閉じた。