※微裏?「節分」の続き・ディアボロが吸血鬼化しています。
ディアボロさんが吸血鬼になって1日が過ぎた。日中に外にも出れないので引きこもり生活に拍車がかかり、現在私とゲーム中だ。
「名前、腹が減った」
「冷蔵庫を適当にあさってください」
「そうじゃない……。血が飲みたい」
コントローラーのボタンを押す指が止まった。
「そういえば吉良さんに買い物を頼まれていました」
立ち上がろうとすると腕を強く引かれ、ディアボロさんの胸に飛び込むことになってしまった。
「ご飯作るので我慢してください」
「少しでいい、頼む」
苦しそうに耳元で言う声に同情を禁じ得なくなった。ディアボロさんだって好き好んで吸血鬼になったわけじゃあないんだよね。
「……少しなら」
「ああ、少しだけだ」
吸血されるのは慣れない。ぎゅっと目を瞑るとディアボロさんが私をあやすように背中を撫でる。
***
抱き締めると名前の身体が強張って畳に爪を立て、がり、と音を立てた。
「掴まってもいいぞ」
そう言うと名前は背中に腕をまわした。いつもなら抱きついてくることのない名前を腕の中に閉じ込め、喜びに浸る。俯いた顔にかかる髪を耳にかけると白い首筋が露になった。引き付けられるように首を舐めると肌の下で熱い血が脈打っているのを感じる。
思うままに牙を立てると名前の手に籠る力が強くなり、先程よりも強く抱きつく。その姿に優越感を覚えながら傷口から溢れてきた血を舐める。
「っあ、っ、……」
あいつのことを少し羨ましく思った。舐めるだけでは足りなくなり、傷口に口を付けて吸う。
「〜〜〜〜っ、」
身体がびくりと跳ね、浅く息を吐きながら吸血に耐えている。溢れそうなほど涙で目が潤み、頬を紅く染めている。その表情に嗜虐心をそそられ、傷口に舌を捩じ込むように舌を這わせた。
***
「も、むり……しんじゃう……」
「死んだら俺とひとつだな」
なんてにやりと笑う姿にディアボロさんが怖くなった。
「その前に私の一部になれ」
頭上から声が聞こえてきて、顔を上げるとディアボロさんがカーズさんに吸収されていく。
「待て!俺が悪かった!やめろおおおお!」