勉強(仗助)

「名前〜、この問題どうやって解くんだ?」
「んーこれはね……」

中間テスト3日前に私は仗助に勉強を教えてくれと頼まれた。

「なー少し休憩しねーか?」
「さっき休憩したばかりじゃない」
「だってよォー、ご褒美がないんじゃあやる気が出ないぜ」
「そう言うなら私も帰ろうかなー」
「なんでだよ!」
「私だってご褒美がなくてもこうやって仗助に勉強教えてるじゃない。私もご褒美ないから帰ろうかな」
「ッ、わかったよ!!じゃあ、キスしていいか?そしたら真面目にやるからよォ」

子犬のような目で頼んでくるなんてズルい。

「わかったわよ!」
「本当か?!じゃあ、……するからな」

仗助の整った顔が近づいてきて思わず私は目を閉じた。柔らかい感触が唇に軽く触れる。初めは軽かっとのがだんだんエスカレートする。苦しくなって唇を少し開けると、仗助の舌が入り込む。

「ん、……ふ、ぁ」

仗助の舌は咥内をなぞるように這う。ひととおりなぞり終えると、自分の舌に絡めるように私の舌を追い回す。私の息が続かなくなり呼吸が乱れる。仗助の胸を叩くとようやく唇は離された。

「……長い」
「悪かったって」
「……」
「約束通り真面目に勉強するぜ……名前、呆けた顔して……そんなに善かったか?」
「〜〜〜〜〜〜ッ」

その後の勉強会で仗助の顔をろくに見ることができなくなった。



bkm