「ただいま帰りました」
「遅いな」
復活したディアボロさんが居間に寝転んでいた。
「そろそろお腹すきましたね」
「もう昼だからね」
吉良さんはおせち料理を運んできた。
「名前、酒を持ってこい」
カーテンを閉めた音を聞いたDIOさんが棺桶から顔を出す。
「どうぞ」
「名前もここに座れ」
手を引かれてDIOさんの隣に腰を下ろした。
***
「もう食べてもいいよ」
「では、いただきます」
「名前は何を願ったのだ?」
酒を飲みながらDIOが尋ねる。
「私のはいいじゃないですか」
「今年も荒木荘のみんなと幸せに暮らせますように、と書いていたぞ」
カーズが言うとみるみるうちに名前の顔が赤くなる。
「なんで、……もしかして、トイレに行ったときに」
「読んだぞ」
「ほう、そんなふうに思っていたとは」
DIOがにやつきながら体育座りで膝を抱えた名前の肩を引き寄せる。
「それほど好きなのか?」
「ほっといてください……」
「名前、飲むか?」
ディアボロが酒の入ったグラスを渡すとあっという間に飲み干し、しばらくするとDIOの肩にもたれかかりうとうとしだした。
「ひどいですよ……勝手に見るなんて……」
「掛けておいたら誰の目にも留まるだろう」
「だからって…………」
「もう寝たのか」
朝までゲームをしていたのが響いたのだろう。身体から力が抜けて眠りにおちた。DIOは名前の頭を優しく撫で、ディアボロは甲斐甲斐しく布団を敷く。この部屋にいる誰もが名前を気に入っていることは一目瞭然だった。名前が絵馬に書いた願いを喜んでいることも。