悪戯って言われてもなあ。くすぐる、とか? そっとカーズさんの脇腹に手をのばして指の腹でつうっと撫でた。
「ン……」
あれ、もしかしてカーズさんて意外とくすぐったがりなのかな。内心ちょっとわくわくしてきた私はさっきよりも大胆に脇腹をくすぐる。
「くすぐったいですか?」
「……そんなわけなかろう」
少し身体を動かしてくすぐったそうにしているように見えたが、どうなんだろう。表情には出ていないからわかりづらい。
「今度は私の番だな」
「え?」
ソファーに押し倒されて腿あたりにカーズさんが乗る。私を見るなりにやりと笑って脇腹をくすぐり始めた。
「あ、カーズさ、だめです、っふふ、くすぐった……」
身体を捩っても身体の上に乗られていて逃げられない。
「っひ、顎の下はやめ、っはは、」
ようやくくすぐり終わった頃には私の身体からは力が抜けて呼吸が荒くなっていた。
「はーっ、つかれた……」
寝転んだままいるとカーズさんが私の顔にかかった髪を退けて整える。近付いた顔を見て悪戯心が湧いた。
「カーズさん」
「どうし、」
カーズさんの唇をぺろりと舐める。
「なーんて、はは…………」
悪戯のつもりだったがカーズさんはそう捉えなかったらしい。私の顎を上に向けさせ首に顔を埋めて首筋を舐めた。
「や、なんで」
空いた方の手は服の上から脇腹を撫でる。さっきくすぐられた時とは違ってゆっくりと手が這う感覚に背中がぞわりとする。
「ちょ、離し」
「名前が先にしたことだ。責任は取ってもらうぞ」
こうなってしまっては止められない。唇を舐めて色っぽく笑うカーズさんを見て、私は顔が熱くなるのを感じた。