朝起きるとやけに頭が痛い。昨日酒を飲んだ覚えはないのに。起き上がると途端に目眩がして立っていられない。自分が後ろに倒れているのがゆっくり感じられる。

衝撃に備えて目を瞑ったが、後ろから誰かに支えられる。ディアボロさんだ。ここに住む人の中では細身のほうだがしっかりと私の身体を支えてくれている。

「ありがとうございます」
「どうした？」
「目眩がして……」

ディアボロさんはそっと私を布団に運んで寝かせた。さっきから天井がぐるぐる回って気持ちが悪い。

「顔色が悪いな」
「なんか貧血の時みたいです」
「どうした？」

カーズさんが部屋に入ってきた。

「目眩がひどくて」
「そういえばDIOが名前の寝ている間に血を採っていたぞ」
「……」

どうりで具合が悪いはずだ。それにしてもこんなにひどい貧血は初めてだ。ディアボロさんは薬と水を持ってきて飲ませてくれた。だけどすぐに効くはずもなく相変わらず景色がぐるぐるしている。

「気持ち悪い……」
「手が冷たいな」

カーズさんが私の手に触れる。

「貧血だからだろう」

ディアボロさんが寝ている私の隣に横になり抱き締める。私の体温よりも温かい。カーズさんはディアボロさんと反対側に横になり私の身体を後ろから温めてくれた。まるで子供になった気分だ。

「２人とも私の親みたいですね」

そう言うとディアボロさんが少し苦い顔をした。

「どうかしましたか？」
「いいから早く寝ろ」
「はい」

いい夢が見られそうだ。