いつも気になっていることがある。それはディアボロさんの服のことだ。これが服なのかはわからないが、上半身を覆う網のようなもの。
ディアボロさんが眠っている間に確かめようと思い近付く。身体に触れようと手を伸ばした瞬間、私の視界が反転した。気が付くとディアボロさんが私に馬乗りになっている。
「何だ、私を襲うつもりだったのか?」
ディアボロさんは勝ち誇ったように笑みを浮かべている。
「そうじゃないです」
「私を襲おうとするとどういう目に遭うか教えてやらなければな」
私の服の釦に手が伸びてきた。
「カーズさん呼びますよ」
一瞬のうちにディアボロさんの表情から笑顔が消えると無言で私の身体から降りて寝床に戻った。これでどれほどカーズさんを恐れているかがわかる。ここまで脅えさせるつもりはなかったのだが。直接ディアボロさんにそれは網ですか、とも聞けないので結局わからずじまいだった。