「今日泊まるホテルはここじゃ」
車を止め、ジョースターさんがホテルのフロントに行っている間に私たちはロビーで待機していた。
「この大きさのホテルなら個室取れそうだな」
「そうだね」
話をしているとジョースターさんが鍵を持ってこちらへ歩いてきた。心なしか鍵の数が少ない。
「今日は混んでいて3部屋しか取れないそうじゃ」
「では2人ずつですね」
私が言った。
「名前は1人のほうがいいんじゃあないか?」
花京院が心配そうに言う。私だけがぜいたくするわけにはいかない。それに疲れているのはみんな一緒だ。
「私に気を遣う必要はないよ」
「じゃあ名前は俺とだな」
そう言うとポルナレフが私の荷物を持って部屋に向かおうとする。
「ほら、名前行くぞ」
「じゃあ後は……」
「名前、止めておいた方がいい」
「なんだよ花京院。それじゃあ俺が危ないみてぇじゃねーか」
「違うのか?」
「承太郎まで……」
ポルナレフは肩を落とす。
「名前、わしと同じ部屋にするか?」
「ジジイはアヴドゥルとだろ、名前は俺の部屋だ」
「高校生の男女が2人同じ部屋というのは感心しないな」
「アヴドゥル……」
「なんだ承太郎、私は事実を述べただけだが」
「名前はどうするんだ?まさか一緒の部屋に寝るつもりか?高校生でないことをいいことに」
アヴドゥルさんと承太郎は睨み合っている。今にもスタンドを出しそうな勢いだ。
「アヴドゥルさん、承太郎、やめてください。2人が戦ったら泊まる場所がなくなりますよ」
「そうだよ。私のことなんて気にしなくていいから!」
「それは聞き捨てならないな。……名前が決めればいいんじゃあないか?さっきも言ったが1人部屋でもいいと思う」
花京院が言うとみんなの視線が私に集まった。
「私?」
「それならいいぜ」
「異論はない」
ポルナレフとアヴドゥルが言った。
「名前はどうするんだ?」
花京院が私に尋ねる。
「私は……」