夜にコンビニにお菓子を買いに行った帰りのことだ。路地を歩いていると、街灯の下に人が立っている。こんな時間に、ここにいるなんて絶対におかしい。
不気味だし早く通り過ぎよう、そう思って早歩きで立っている人の横を通った。すると後ろから肩を掴まれる。私は手を振り払って走り出した。こうなるなら誰かと一緒に来ればよかった。後悔しながら走っていると、いきなり前方にいる人にぶつかった。
「何をしている」
聞き慣れた声に顔を上げるとDIOさんだった。良かった。身体から力が抜けて地面に座りこむ。
「DIOさん……」
「遅いから迎えに来たのだ。それにしてもさっきはなぜ私を避けた?」
「え?さっきって……」
「さっきすれ違ったではないか」
「……街灯のところにいたのってDIOさんだったんですか?!」
「そうだ」
なんだ。というか普通に声かけろよ。
「帰るぞ」
「はい……あ、」
「どうしたのだ?」
「腰が抜けました」
DIOさんは私を担いで家まで帰った。これもこれで不審者だ。誰ともすれ違わなくてよかった。